平安堂は3月から、長野本店に近接する古書センターの売場を増設し、40坪に拡張した。また、夏には飯田店でも取り扱いを開始する。一方、他書店と共同出資する古書取扱会社は、今夏の設立に向けて実務者レベルの調整を進めており、今年中には各出資書店が古書を取り扱う店舗をスタートさせる予定という。
同社は昨年3月から諏訪店で古書の買取・販売を開始、9月には古書センターを開設した。古書センターは廃業した地元ホテルの建物を利用し、1階30坪を販売スペースにしてきたが、買取量が増えて売り場が不足してきたため、2階に10坪の売場を増設した。これにより、月間売り上げは100万円ほど増え、約300万円になった。
飯田店は店内のギャラリーなどのスペースを利用して、40?50坪の売場を作る。また、古書センターが入る建物は、将来的に再開発が予定されており、そうなった場合は長野本店の中に入れることを予定している。
買取は毎月売り上げと同程度で、毎日のように出張買取の申込みがあるという。また、雑誌などに紹介されたことで、県外からわざわざ本を送ってくれる人もある。
「新古書店などと違って良心的な買い取り価格なので、読書家の信頼を得られている」(児玉純常務)。ただ、刊行から間もない商品の買取は予想より少なく、課題になっている。
また、共同出資会社の進捗については「田村書店(豊中市)、金高堂(高知市)、勝木書店(福井市)と設立することを合意しており、資本金、定款、役員構成など細部の調整に入っている。夏には設立する」(児玉常務)という。
設立後は、平安堂古書センターをモデルに、各法人が古書の取り扱いを開始する予定で、年内には少なくとも各社がスタートする方向で準備を進めている。
会社では買取・販売価格を共有できるデータベースの作成や、販売・在庫管理システムの構築、在庫管理と各店への配送を行う物流業務、さらには商品確保のための取り組みなどを予定している。