日本書店商業組合連合会は4月27日、東京・千代田区の書店会館で第2回新販売システム説明会を開催し、出席した出版社27社に同システムの実施要領を説明するとともに、参加・協力を呼びかけた。
冒頭、丸岡義博会長が「返品のむだをなくすことを原資としてマージンの拡大に向けられないか、との思いで昨年新販売システムを構築した。前回は講談社1社だったが、今回は多くの出版社に協力をいただきながら、本格的な取り組みを開始し、自分たちの売る努力を出すことで厳しい状況を打破していかなければならない。その思いを込めて第2回の取り組みをしていきたい」と協力・支援を要請した。
続いて流通改善委員会・藤原直委員長が実施要領を説明した上で、「書店が仕入れる力を今以上に発揮し、努力をすることで利益が得られるシステムを開拓して行きたい。その一石を投じることができればと第2回を開催する。完全だとは思っていないので、出版社から提案をいただければ考慮する用意もある。一つ一つを突破口にしていければと考えている」とし協力を求めた。
実施要領は、目的に書店店頭の活性化と10月27日の「文字・活字文化の日」を記念した新読者層の獲得を掲げている。
取引条件は?完全買切?注文部数満数配本?取次出し正味は通常正味?書店への特別報奨18%?書店清算3カ月延勘。
対象書籍は?新刊書?過去実績のある買切書籍?判型を変えての再チャレンジ出版物?その他とするが、基本的には出版社の選定による提供をとしている。また買切であることから、既刊商品の場合は、判型、装丁、ISBNコードを変更してほしいと要請した。
参加出版社は対象商品と採算の合う部数を6月30日までに提出。日書連は加盟書店に書名等を開示し、8月31日までに注文を受け、集計のうえ各出版社に報告。出版社は発売の有無を判断し、10月27日に発売する。
講談社・大竹局長「やりようはある」と報告
質疑応答では、昨年参加した講談社・大竹深夫書籍販売局長が、昨年の「窓ぎわのトットちゃん」と「だいじょうぶ だいじょうぶ」について選定趣旨などを紹介するとともに、その結果を「…トットちゃん」が受注1万1000部、製作1万8000部で、追加もあって1万4000部を出荷して実売7000部程度、「だいじょうぶ…」は受注1万2000部で2万部製作し、全て出荷して、先週4000部の増刷を決定したと報告。
そのうえで「書目を選んで上手くやればやりようはあるというのが1回目の感想。今日出席の出版社にも参加いただいて、『日書連が勧める文字・活字文化の日の○○点』といった展開で、新聞宣伝、店頭宣伝物の作成などを共同で行い、書店にもワンコーナーにまとめていただくなど、トータルな運動にできれば」と述べた。
また、日書連加盟店以外への取り扱いと報奨金の清算について質問があり、藤原委員長は「専売でなくても構わないが、日書連加盟店に報奨をお願いしたい。報奨金は精算同時かその後の支払いを想定しているが、最終的に検討した上で回答する」と回答した。