幻冬舎は09年3月23日、月刊女性誌「GINGER(ジンジャー)」を創刊する。ポスト団塊ジュニア世代に向けたファッション誌で、10月1日、東京・千代田区の帝国ホテルで開いた広告会社向け説明会で見城徹社長は「創業も文庫、新書、男性誌の創刊も逆風の中の大勝負だったが、逆風が強いほど上手くいくと鮮やか。それがブランドを作ってきた」と述べ、意気込みを示した。
新雑誌はL判、無線とじで平均300?程度の体裁。創刊部数は20万部を目指している。編集長は主婦の友社で「レイ」「エフ」の編集長、「ミーナ」の創刊編集長を歴任した片山裕美氏。
見城社長は「当社はいつもまず人ありき。片山がどうしてもやりたいというものをやらせる」とし、誌名は幻冬舎、男性誌「ゲーテ」に続く第3のGだと述べ「G7があるが、Gを7つ揃えたい。これから4つ出していく」とさらなる事業拡大への意欲を示した。
また、新雑誌の特徴については「ファッション、美容などのアイテムは同じだが、今までの女性誌とはかなり違って見えるはず。革命はラジカル、本質的でなければならない」と表現。
片山編集長はインタビュー調査によって、対象世代はトレンドやモードへの意識が高く、雑誌への信頼感を持っているが読むべき雑誌がないと考えているとし、「彼女らの価値観にマッチした雑誌の登場が待たれている」と述べた。また、この読者層は活字をしっかり読むため、活字コンテンツにも力を入れると説明した。
新雑誌のコンセプトは、▽ファッションはリアリティーと社会性を意識した自分らしさが伝わる「シンプル+モード」へ▽美容は転機を迎えた大人の女性の美の要請に応える▽仕事、マネー、結婚など、人生の基盤になるテーマで読者のHAPPYをサポート▽幸せに生きていくための知恵や教養への欲求を満たす―の4点。
片山編集長はモデルには日本人を起用し「次世代の大人モデルを育てたい」と述べ、香里奈、竹下玲奈といったモデルを起用する考えを示し、この日は会場に香里奈さんが登場しコメントを述べた。
また、創刊準備号では連載陣として、フジテレビ・高島彩アナウンサー、佐藤優、茂木健一郎、ファッションジャーナリスト・藤岡篤子、ヘア&メイクアップアーティスト・山本浩未の各氏を紹介。さらに同社ならではの強力な執筆陣を揃えていくという。
藤村友信広告局長がインターネットで調査した対象読者の属性を説明した後、同誌の総合プロデューサーを務める舘野晴彦常務取締役編集本部長が「できればクライアントのところへ直接伺い、膝をつき合わせて話をさせて頂きたい」と要望。さらに「皆さんはこの不況の中、すぐに止めるのではないかと心配されていると思うが、創刊した以上そう簡単には止めない。徹底的にやっていく」と述べた。