出版流通対策協議会は3月5日、東京・文京区の小石川後楽園涵徳亭で第31回定期総代会を開催し、09年度事業方針を承認するとともに、「アマゾンの値引き販売の中止を求め、再販契約の遵守を求める」声明を承認した。また、グーグルの書籍検索問題についても「かなり大きな問題になる」として、講師を呼んだ勉強会を開くなど、早急な対策に取り組んでいく。09年度役員選出では高須次郎会長(緑風出版)が再選された。
総会は、98会員社のうち、出席38、委任状33の71で成立。議長に新田準幹事(凱風社)を選出して議事に入った。
高須会長は、アマゾンジャパンの値引き問題、グーグルの書籍検索問題をあげ「出版界は嵐の中を漂流しながら沈みつつある感じがし、周りでは倒れていく人が出てくる状況の中、前門にアマゾン、後門にグーグルで我々は立ちすくまざるをえない。この状況をどう突破するか中身のある議論して今後につなげていきたい」と述べた。
この後、08年度活動報告・決算報告、09年度活動方針・予算案が報告され、承認された。
09年度の活動方針としては、▽再販制度擁護=アマゾンジャパンに再販契約に則った営業活動を求め、取引取次へ要請するなど▽取引問題=差別取引是正を求めるなど▽出版の自由のための闘い▽出版流通勉強会推進▽委員会活動の強化▽新規会員獲得▽出版社の権利確立▽消費税値上げへの対応などに取り組む。
質疑応答では、著作権法改正に向け、出版社の著作隣接権を主張して欲しい、との意見が出された。
09年度役員改選では、新田幹事が退任し、後任幹事に高野政司氏(解放出版社)が選任されたほかは再任、互選により高須会長が再任。高須会長は「私もこれで5期目。問題山積だが、なるだけ早く世代交代をしたいと思いつつやっている。かなり厳しいが心機一転今年の課題にがんばっていく」とし協力を要請した。