兵庫書店組合、新理事長に井上喜之氏 はりま支部は返品運賃減額

2009年10月22日

 【関西】兵庫県書店商業組合の第21回通常総代会が10月20日、神戸市中央区の神仙閣で開かれ、3期6年理事長を務めた三上一充氏(三上尚文堂)が退任、新理事長に井上喜之氏(井上書林)が就任した。

 総代会には委任状を含めて総代43人が出席。三上理事長は日書連活動について「送品返品同日精算の問題は、日数は短くなったが同日までには至ってない。根気強く話し合いを続けていく」とし、出版業界用語統一問題、さらに「日書連マークの普及促進と読書推進運動の多面的な展開は、組合員全員が同じ気持ちで進めなければならない」と訴えた。

 各委員会の事業報告で、図書館事業・出版倫理委員会・井上委員長が「県立図書館が毎年、予算を約30%削り減少の一歩をたどっている」と報告した。

 各支部報告では、第5(はりま)支部・安井唯善支部長(安井書店)が「大手、準大手が出店の際、▽3カ月前の出店情報▽組合加入▽定価販売遵守について交渉している。現在、新規2店から組合加入を前向きに検討中と返事がきている」「当エリアは返品運賃が各店負担で長年の懸案事項だったが、各運送会社の協力で、組合員限定で運賃が減額になった。少なからず組合加入メリットが実現できた」「小学館『世界大地図』では、エリア内の神戸新聞に折込広告を入れる計画がある」と報告。

 役員改選で新役員を発表。新役員満場一致で、井上氏を新理事長に決めた。

 井上氏は「経験不足だが、組織強化と財政健全化を図りたい。そのためには第5支部が推し進めたような明確な加入メリットが必要。4年後には若い人に良い形でバトンタッチできるような体制作りをしていきたい」と所信表明。三上氏も「井上新理事長には、兵庫県がこれ以上地盤沈下を起こさないよう、新しい組合体制にチェンジして全国に轟く組合になってほしい」とエールを送った。

 懇親会では、小学館PS・福井雄治取締役のあいさつに続き、日本出版販売・田辺茂神戸支店長が「以前、三上さんが入院したときに見舞いに行くと、ベッドの上に座って医療用の携帯電話で仕事をしていた。『こんなときまで』と思ったが、あの姿は今でも忘れない。本当にお疲れ様でした」と述べ乾杯した。