講談社が3月20日に発売した絵本『新幹線のたび~はやぶさ・のぞみ・さくらで日本縦断~』(コマヤスカン作)=写真=が、発売4カ月の7月15日で7刷5万部と好評だ。
同書は3月12日の九州新幹線全線開通で、新青森駅から鹿児島中央駅まで、新幹線で日本縦断できるようになったことを踏まえた企画。
朝、雪の新青森駅を出発した、はるかちゃんとお父さんが、新幹線を乗り継ぎ、夕方祖父母の待つ鹿児島中央駅に到着するまでを、沿線の大パノラマと車中の絵柄で追っている。
売り上げの5%震災義援金に
3月11日の東日本大震災を受け、同書に描かれた多くの街が壊滅状態になり、新幹線も寸断されたことなどから、出版の可否を検討したが、何かを「する」ことで復興に貢献すべきと、同社と著者で売り上げの5%を震災義援金に寄付することとし、いつか美しい日本の国土を旅できる日がまた来ることを信じて刊行するとしたメッセージを添えて出版した。
出版後は読者、書店からの反響も大きく、朝日新聞5月27日付でも紹介された。
完成度の高い絵に加え、義援金の取り組み、東北の美しさや震災のあったことを忘れないためになど、子どもだけでなく大人にも高い評価を得たことなどから、絵本としては異例の短期間で5万部に到達した。
寄付は7月11日段階で、6刷4万部相当の236万2500円を日本赤十字社・東日本大震災義援金に寄付している。
A4判上製、33P、本体1500円、ISBN9784061324619。