トーハンは6月28日の定時株主総会と取締役会で、藤井武彦財務顧問を代表取締役社長に新任し、近藤敏貴社長は代表取締役副社長に就任。山?厚男会長、上瀧博正取締役相談役、小林辰三郎取締役は顧問に就任した。 総会後の記者会見で藤井社長は、社長就任について「正直、予期せぬ話だった。全搬的な情勢判断の中で承諾した」と説明。今回の社長交代劇について「いろいろな経緯が喧伝されているが、これは新しいトーハンを作るための陣痛であったと思う。私自身はこれまでのことより、これからどうやって新しいトーハンを作るのかが最大の関心事」と述べた。 そして、内部管理体制に力を入れるとし、就任に際しての社内訓辞で示した3つの基本方針として、?ガバナンスの効いた正道を歩む経営?風通しがよい、活力溢れる職場を作る経営?一隅を照らす経営―をあげた。 また、自社への問題意識として、「高コスト体質になっている」と指摘。内部管理的牽制機能が弱くなり、必要以上に経費を食っている。まだまだ改善の余地がおおきい。経費をコントロールするだけでも収益構造がかなり変わると思っている」と述べた。 2人代表制については、「私は執行役員にはならず、経営全般をみる。近藤副社長が執行役員のトップに立って早めの対応で個別案件に対応していく」と述べた。 退任取締役が就任した顧問については、「顧問はそれ以上でもそれ以下でもない」とし、実質的な存在ではないことを強調した。なお、山?顧問は以前から就任していたトーハン自動車会長として同社の経営に専念する。