ふたば書房と大垣書店の共催による第22回和昌会が9月5日、京都市祇園の中村楼で開かれ、出版社23社24人、日本出版販売、トーハンの京都支店長、主催社側から各11人が出席した。今回はふたば書房が設営を担当した。
大垣書店は前期比2・3%増収、ふたば書房はトータルでは0・3%減収ながら雑貨は10%増を確保し増益。
大垣和央会長は「トーハンとは一本取引。業績が思わしくないと報じられているが、屋台骨が揺らいでは不安を覚える。業界に幅を利かせるように、より一層強力になることを心から念じる」と述べた。また、70周年の節目に決算賞与を実施したと報告、ふたば書房がトーハンと提携して雑貨を書店に提供していることにも言及し、「本だけに拘ることもない」とも付け加えた。
ふたば書房・洞本昌男会長は、和昌会設立時について「2書店では出版社は来てくれない不安もあったが、当時京都の大書店、駸々堂の幹部を悔しがらせた」とし、当時は売上も差はなく、情報交換で毎日を競ったと述べた。
次いで洞本昌哉社長が京都タワー店閉店を報告し、京都市からのオスカー賞の受賞、トーハン取引書店との取引開始、ゼスト御池店至近での食料品スーパーの開設、つかしん店の10月に増床リニューアルなどを説明し、「筋肉質の体力を付け、もう一度売り上げを伸ばしたい」と、今年の売上3%増を掲げた。
和昌会設立に関わった河出書房新社・若森繁男会長は、「大垣書店は多店化で大規模に、ふたば書房はアンジュを立ち上げ雑貨に進出。今の時代に合った政策。出版は京都が原点、両書店がリーダーとして今後に期待したい」と祝辞。
次いで出席出版社が2分間で企画を説明。大垣書店・大垣全央専務、ふたば書房・瀬島貴昌常務が自社出席者を紹介した。
懇親会では洞本昌哉社長が「お互いが切磋琢磨しているが、大垣全央専務の時々の挑発的電話はありがたい」とし、来年100周年を迎える岩波書店・井上一夫取締役が乾杯役を務め開宴。大垣守弘社長は中締めで「1冊でも多くの本を売っていきたい」と締めた。