毎日新聞社は1月6日、東京本社で2014年新年会を開いた。朝比奈豊社長は年頭あいさつで、「毎日新聞は創刊142年を迎えるが、変えないで続けていかなければならないこと、そして、新たに育て、展開していかなければならないこと、この両方を明確にしていく年になる」と指摘。「毎日新聞の価値を高め、『日本に毎日新聞があって良かった』『今年だからこそ、日本社会に毎日新聞がやっぱり必要不可欠な存在だ』と思ってくれる人を一人でも増やしていきたい」と呼びかけた。 新年会は11時から、東京本社地下1階の毎日ホールで開かれ、役員や幹部社員、関係会社幹部らが出席。音声オンラインシステムで社長あいさつを大阪、西部、中部、北海道の各本支社にも流した。 あいさつの冒頭、朝比奈社長は毎日新聞社が昨年12月2日から始めた新サービス「愛読者セット」について言及。購読料のままで全本支社の朝夕刊最終版、各地域面などの紙面がパソコン、タブレット、スマートフォンで閲覧できる特性をあげながら、「新聞の新しいスタンダードを打ち出した」と強調した。 また、これまでは2・6人だった毎日新聞1部あたりの読者が、3~4人もしくはそれ以上に増える可能性があるとしたうえで、これによって?毎日新聞の影響力、存在感が増す?広告のクライアントにアピールできる?「毎日新聞を購読していれば、これだけのプラスアルファがある」ということを具体的に示せる――と指摘した。 販売部門に関しては、昨年秋に毎日新聞グループホールディングスにMS販売部を新設し、毎日新聞、スポーツニッポンの販売を一体化する体制を整えたことに触れ、「毎日とスポニチで、1足す1が2ではなく、それ以上の効果をあげていくことを期待している」と述べた。 ジャーナリズムの点では、新聞の果たす役割が大きい1年になるとの認識を示し、「しっかりとした事実の取材に基づいた報道、熟慮をしたうえでの論戦の展開により、混迷する時代の『羅針盤』の役割を果たしていきたい」と決意を表明した。また、東アジア情勢の厳しさに対しては「備えは当然必要だが、相互理解と信頼のパイプづくりも不可欠だ」と指摘した。 一方、日本経済については、「アベノミクス」によって全体状況の改善は進んでいると分析しながらも「まだまだ道半ば。『第3の矢』は今からという感じ」と評価。「国民の生活実感を考えれば、今年、毎日新聞の果たす役割は大きく、読者に寄り添い、励ます姿勢が一層重要になってくる」と語った。 そのうえで、改めて「受け手発想」の重要性に言及。「新聞社はもちろん『B to C』なのだが、今年は『B with C』を目指し、読者、スポンサー、顧客の良質な意見を紙面、営業に生かしていくべきだ」と強調した。 最後に海外事業展開など新規事業の重要性を訴えるとともに、各本支社それぞれの取り組みを例にあげながら、「未来につながる企画の展開を。部分最適ではなく、全体最適を考えるとともに、一人一人が損益感覚を持ち、いかにグループ全体の売り上げを伸ばすかに知恵を絞ってほしい」と呼びかけた。