朝日新聞社は12月15日、飲食デリバリーのポータルサイト「出前館」を運営する夢の街創造委員会(大阪市、中村利江社長、以下夢の街社)と業務提携契約を締結した。朝日新聞社は、夢の街社が運営するインターネットサイト「出前館」事業で協業する。夢の街社の普通株式57万6200株(発行済株式数に対する割合5・2%)を同社の既存株主から取得する予定だ。 出前館は2000年に飲食デリバリーのポータルサイトとして開設され、国内最大規模に成長。会員数は856万人を超え、加盟する飲食店数は1万4200店を突破している。ユーザーからの注文数は年間1352万件(2015年度実績)に上り、11月27日には1日で7万6299件と過去最高を記録した。スマートフォン向けアプリの全面リニューアル、「ApplePay」や「Amazon ログイン&ペイメント」の導入などに取り組み、決済方法の多様化やユーザーの利便性向上に努めている。 こうした「スマホ時代の出前デリバリー」の需要増に応えるため、朝日新聞社の取引先である新聞販売店(ASA)は、来年3月をめどに、夢の街社との協業1号店を開設し、宅配代行事業に取り組む。ASAは出前館からの受注情報を受けて近隣の飲食店から商品を受け取り、ユーザーへ届ける。ASAは全国に2000カ所以上、従業員6万人以上を擁しており、首都圏での実証実験を経て対象エリアを順次拡大させていく計画だという。これまでデリバリー機能を持たなかった地元飲食店などの宅配代行を実現させることで、地域経済に貢献していく考えだ。 夢の街社は10月、モバイルメッセンジャー・アプリケーション「LINE」を展開するLINEと資本提携。LINE社が夢の街社の株式20%(発行済みベース)を取得して筆頭株主となりました。両社はLINEアプリ上で「出前館 on LINE」などのサービスを提供し、LINEが得意とする「プッシュ通知機能」などを通じてユーザーがより手軽で便利に出前館サイトを利用できるよう努めている。