文字を伝達手段とした優秀なデザイン作品を選ぶ「日本タイポグラフィ年鑑2017」の受賞作が発表され、朝日新聞2016年3月11日付朝刊の東日本大震災5年別刷り特集「福島第一原発 終わり見えぬ汚染水」(担当デザイナー・加藤啓太郎、アートディレクター・末房赤彦)が、インフォグラフィクス部門の最優秀賞「BEST WORK」に選ばれた。同社の部門最優秀賞の受賞は5年ぶり。 受賞作を手がけたデザイナーの加藤氏は「特集をデザインする直前、福島第一原発に足を運んで取材する機会があった。そのときに肌で感じたのは汚染水や放射線量のような課題が現在進行形だということだった。そうした現地の『いま』が直感的に伝わるビジュアルが評価され、うれしく思う。これからも報じるだけではなく、解決の糸口をつかめるようなグラフィックを意識していきたい」と語っている。 「日本タイポグラフィ年鑑」は過去1年間に発表された優秀なデザイン作品を選定し収録したもので、デザイナーや研究者でつくるNPO法人日本タイポグラフィ協会が発行している。今回は計1185点の応募があった。受賞者リストは、協会ウェブサイト( http://www.typography.or.jp/index.html )でみることができる。また受賞・入選作は、17年4月発行予定の「日本タイポグラフィ年鑑2017」に収録される。 このほか朝日新聞社からは計6点が入選。米大リーグ・イチロー選手の3千本安打記録を特集した朝日新聞デジタルの「#51=3000」( http://www.asahi.com/special/ichiro/3000 )がオンスクリーン部門で選ばれ、インフォグラフィクス部門2点、ロゴタイプ部門3点が入選している。