出版科学研究所(出版科研)は1月25日、2017年の書籍・雑誌販売額が1兆3701億円、前年比6・9%減、電子出版を加えると1兆5916億円、同4・2%減になったと発表した。 内訳は書籍が7152億円、同3・0%減、雑誌が6548億円、同10・8%減。 一方、電子出版は2215億円、同16・0%増と増加。内訳は電子コミックが1711億円、同17・2%増、電子書籍(文字もの)が290億円、同12・4%増、電子雑誌が214億円、同12・0%増となった。 紙の書籍は『君たちはどう生きるか』(マガジンハウス)や『九十歳。何がめでたい』(小学館)、「うんこ漢字ドリル」シリーズ(文響社)、『応仁の乱』(中央公論新社)などのヒットもあり、文芸書、学参、教養新書は前年を上回り、好調な児童書も前年並みをキープした。 雑誌は調査開始以来初めて2桁減となり、内訳はムックとコミックス(単行本)を含む月刊誌が同11・1%減、週刊誌が同9・2%減。刊行形態別では定期誌が同約9%減、ムックは同約10%減、コミックスは同約13%減と大幅に落ち込んだ。 定期誌はほとんどのジャンルがマイナスだが、コスメグッズの付録を付ける『MAQUIA』(集英社)や『美的(小学館)の売れ行きが良いほか、グッズ付録を付けない雑誌でも『GISELe』(主婦の友社)や『LDK』(晋遊舎)は好調だった。 コミックスは電子への移行が進んでおり、出版科研の調査では2017年1~11月のうち6カ月で2桁減少しているなど、この2年ほどは急速に市場が縮小している。