日本新聞博物館(ニュースパーク)の企画展「時代の空気。副田高行がつくった新聞広告100選。」が3月31日、横浜市の同館で始まった。7月1日まで。アートディレクターでデザイナーの副田氏が制作に携わった新聞広告100点を50点ずつに分け、会期前後半にそれぞれ展示する。31日に開かれたオープニングセレモニーで、副田氏は「若いクリエイターや企業の宣伝担当者らに見てもらい、新聞広告復活のきっかけになれば」と期待した。 企画展は副田デザイン製作所との共催。「サントリービール ナマ樽」(1980年)から新聞広告に携わってきた副田氏の作品をそろえた。東京ガスや朝日新聞などをクライアントにした2000年までの新聞広告50点を5月13日まで、01年以降の50点を同月15日から入れ替えて展示する。 オープニングセレモニーは、同時開催の企画展「よみがえる沖縄1935」(朝日新聞社、沖縄タイムス社共催)と合わせて行われた。 あいさつした副田氏は新聞広告に携わるようになった思い出などを振り返ったうえで、「最近は新聞広告の量が減っているが、私は広告の中でも新聞広告はずっと中央にあるべきと思っている。新聞はちゃんと読んでもらえたり、コミュニケーションがちゃんとできる媒体。企業や商品のことをしっかりと伝えられる媒体として一番優れている」と強調。 「新聞広告の一つひとつは、多くの人が関わり、熱い思いで作られている。それぞれに物語がある。若いクリエイターや企業の宣伝部で働く若手にも見ていただき、新聞広告の可能性を改めて感じてもらいたい」と語った。その後、会場を回り、展示解説をした。