カドカワ、川上社長が辞任、新社長に松原氏

2019年2月15日
 カドカワは2月13日、19年3月期第3四半期連結累計業績を発表したが、子会社ドワンゴの業績不振によって通期連結業績予想及び通期個別業績予想を下方修正。カドカワの川上量生社長が辞任し、松原眞樹代表取締役専務が社長に就任するなどの役員人事についても発表した。

 ドワンゴの事業計画進捗が当初計画を大きく下回り、減損損失 37億9900万円と、ドワンゴ株式の実質価額が低下したことから関係会社株式評価損149億500万円を特別損失として計上した。

 これに伴い、4月1日付で吸収分割により、カドカワの子会社だったドワンゴ、Gzブレイン、大百科ニュース社をKADOKAWAの完全子会社とする。

 社長を辞任する川上氏は取締役としてグループの事業戦略立案、新規事業推進を担当。また、2月13日付でドワンゴの取締役を辞任し顧問に就任した。

 その他2月13日付で荒木隆司、横澤大輔、栗田穣崇の3取締役も辞任。荒木氏はドワンゴの代表取締役社長も辞任し、後任には夏野剛氏が就任。横澤、栗田の両氏はドワンゴの取締役として事業推進を担当する。

出版事業は好調

 カドカワの第3四半期連結累計業績は売上高1521億200万円(前年同期比0・1%増)、営業利益31億8300万円(同8・2%増)、経常利益43億7100万円(同26・5%増)と増収増益だったが、ドワンゴが固定資産減損損失を計上したことで、親会社株主に帰属する四半期純損失21億6900万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益17億500万円)となった。

 セグメント別では、出版事業は主に電子書籍・電子雑誌販売が牽引し、売上高848億6100万円(前年同期比2・2%増)、セグメント利益(営業利益)55億8200万円(同46・8%増)と好調に推移。

 映像・ゲーム事業は売上高339億5100万円(同0・5%減)、セグメント利益(営業利益)25億1800万円(同26・9%増)。Webサービス事業は売上高199億5900万円(同10・6%減)、セグメント損失(営業損失)7億円(前年同期は営業利益1億3900万円)。その他事業は売上高160億6800万円(前年同期比8・0%増)、セグメント損失(営業損失)18億200万円(前年同期営業損失4億6100万円)。

 ドワンゴは、昨年11月にリリースした位置情報ゲーム「テクテクテクテク」が期待値を大きく下回り売上高は期初予想比16・5%減の470億円。Webサービスも売上高同26・7%減の255億円。

 これらにより売上高は2070億円、同10・4%減、営業利益は19億円(同76・3%減)、経常利益は29億円(同68・1%減)。

 さらに固定資産減損損失37億9900万円を第3四半期に特別損失として計上したため、親会社株主に帰属する当期純損失は43億円(期初予想は親会社株主に帰属する当期純利益54億円)を見込んでいる。