アルメディアによると2019年5月1日時点での日本の書店数は1万1446店で前年比580店減少した。このうち店舗を持たない本部・営業所などを除く店舗数は1万174店になる。売場面積を報告している1万625店(カウント数)合計の売場面積は前年より4万7355坪減って126万872坪となった。一方、日本書店商業組合連合会(日書連)の組合員数は137減って3112となったが、減少幅は小さくなった。
書店店舗数の前年比増減率は4・8%減で、この10年間では最大の減少幅。20年間でも04年の5・3%減に次ぐマイナスになった。売場面積は3・6%減でこちらも前年の2・5%減より落ち幅が大きくなった。
20年前に2万2296店だった書店数は48・7%減とほぼ半減した。また、売場面積による店舗の占有率を見ると、かつて半分以上を占めていた100坪以下の小規模書店の比率が低下し、300坪以上の大型書店のシェアが高まっている。全体の数が減って、個人経営を中心とした小規模書店が減っているということは、大手書店やチェーン書店への集中度が上がっていることを意味している。
18都道府県で書店数が2桁減少
地域別では、島根県が前年同数だったのを除く都道府県で減少した。書店が最も多い自治体は東京都の1222店(前年比81店減)、次いで大阪府の758店(同67店減)、愛知県の712店(同33店減)。減少幅が大きいのは、東京都、大阪府、北海道、愛知県。 北海道、群馬県、埼玉県、千葉県、神奈川県、東京都、静岡県、愛知県、岐阜県、新潟県、大阪府、京都府、兵庫県、岡山県、広島県、香川県、愛媛県、福岡県の18都道府県で書店数が2桁減少。
特に東京都(81店減)、大阪府(67店減)、北海道(39店減)、愛知県(33店減)、神奈川県(32店減)、福岡県(32店減)で大きく減少した。
一方、売場面積が最大なのは東京都(10万909坪)に次いで、愛知県が8万1478坪、北海道が7万4587坪。1坪あたりの人口(2017年調査)は、全国で100・49人で、最も人数が少ないのが富山県の58・38人、新潟県の57・76人。逆に人数が多いのは神奈川県の176・38人、次いで大阪府の151・72人だった。
売場面積は秋田県、宮城県、福島県、鳥取県、島根県、高知県、長崎県の7県で増加したほかは減少した。 特に北海道(1523坪減)、茨城県(1787坪減)、埼玉県(3026坪減)、神奈川県(3888坪減)、東京都(5882坪減)、静岡県(1514坪減)、愛知県(3767坪減)、新潟県(1310坪減)、大阪府(4677坪減)、兵庫県(1936坪減)、広島県(1378坪減)、愛媛県(1641坪減)、福岡県(4134坪減)で4桁減少している。
大型店の比率上昇続く
最大面積は3000坪のトップカルチャー蔦屋書店仙台泉店で、13年以来変わらない。最大面積は高知県で拡大し、大分県と宮崎県で縮小した。
売場面積別では、これまで増加を続けてきた500坪以上の書店も含めてすべての規模で減少。占有率は大型店の比率が上昇し、中規模店の比率が下がっている。
ただ、拡大し続けてきた300坪以上の大型店比率が34・7%と前年より0・1ポイント低下。100坪以下の小規模店も53・4%で同0・3ポイント低下した。
取次別では各取次とも店舗数は減少。特に日本出版販売(日販)は352店と大幅に減った。これに伴って売場面積も日販が4万6681坪縮小し、大阪屋栗田は66坪拡大した。売場占有率は日販が48・8%で最大だが、前年に比べ1・8ポイント下がっている。
書店組合の減少に歯止めか
日書連の組合員数は、4月1日時点で3112となり、全書店数に対する比率は27・2%となり、前年より0・2ポイント上昇した。
組合員の加入が33と前年より12増加、脱退が170で106減少し、12年以来で加入は最多、脱退が最低になったことで、書店全体の減少幅より組合員数の減少が低く抑えられた。
地域別では岩手県、千葉県、山梨県、福井県、島根県、高知県、長崎県、熊本県が増減なし、三重県、滋賀県、香川県、佐賀県で増加した。
◇ ◆ ◇ データはアルメディアが構築している書店データベース「ブックストア全ガイド」に基づくもので、今年5月1日時点で抽出した。日本書店商業組合連合会の組合員数は4月1日時点での同組合調査によるもの。
アルメディアの調査方法は、調査票の郵送が中心。取次番線を有する書店を基本に収録しているが、直取引、中卸取引の書店の一部、さらに本部、営業所といった事業所や、大学などの売店も店舗に含まれる。
売場面積には書籍・雑誌のほか、ビデオ・CD・文具売場なども含む。売場面積を公開している書店を「カウント店」とし、この合計から総売場面積を算出している。