出版情報登録センター(JPRO)はこのほど、「電子出版物の登録無料キャンペーン」を実施すると発表した。
2019年10月1日から12月31日までの3カ月を制度切り替え期間とし、それまでの既刊で未登録および期間中に発行の電子出版物は登録が無料となる。また、2020年から電子出版物の登録料を現行の500円から200円に値下げする。
2020年1月1日から電子の登録料を値下げ
JPROは6月末現在、登録が235万点を超え、物流・仕入・選書・予約・注文で活用される出版情報インフラ。同キャンペーンの実施により、電子も含めた 「日本初の出版物総合データベース」としての充実を目指すとしている。
また、これまでJPROは「共通書誌情報システム」を通じ電子出版物書誌データを入手してきたが、今後は同システムを引き継いだ電子取次会社メディアドゥから書誌データを取り込む。
加えて、出版社が承認すればメディアドゥに販売委託している電子出版物の書誌情報をJPRO に取り込み、自動登録される。
このほか、モバイルブック・ジェーピー(MBJ)など他の電子取次会社経由や出版社自身が登録するルートも設ける。
自動登録で出版社の登録業務を簡易化、正確性も担保
出版社のメリットとしては、自動的に電子出版物の書誌情報が登録され、紙の底本情報と紐づけされ、登録業務の簡易化が見込める。また、電子取次会社がクリーニングしたデータであるため、正確性も増す。
これまで共通書誌情報システム経由でJPROに登録していた出版社のみならず、同システムを利用せず登録を見送っていた出版社も、容易に電子出版物の書誌情報登録が可能となる。
海賊版対策としても、電子出版物の出版権(電子出版権)情報を付加することで、「正規版」として電子出版権が設定されていることがJPROで公示できる。
JPRO検索サイト「出版書誌データベース(PubDB)」には「電子版あり」と表示され、紙版が入手困難になっても読者に電子版という選択肢を示すことが可能となる。