日販 7月期店頭売上前年比調査 月刊誌は9年9カ月ぶりの前年超え、コミックも堅調を維持

2019年8月7日

7月期店頭売上前年比調査(日販調べ)

 

 日本出版販売(日販)は8月6日、2019年7月期の店頭売上前年比調査の結果を発表した。調査報告によると7月の店頭売上前年比は全体で98・6%(1・4%減)。一方で月刊誌は09年10月以来、9年9カ月ぶりの前年超え。コミックは12カ月連続の前年超えで、堅調を維持している。

 

 調査対象店は当年と前年に売上データが取得できている店舗で、調査対象軒数は1791店。調査期間は19年7月1日~7月31日。

 

ジャンル別7月期店頭売上前年比(日販調べ)

 

雑誌97・8%

 

 月刊誌は、宝島社の「InRed8月号」(付録:ムーミン「リトルミィ」夏の9点セット)や、「大人のおしゃれ手帖8月号」(付録:リサ・ラーソン大人シックな保冷バッグ3点セット)といった女性誌の人気付録号が売上を牽引した。

 

 好調の要因としては、定価アップのほか、日販の売上上位銘柄を対象とした雑誌拡販施策「PremierM」への取り組みの結果が挙げられる。「PremierM」は、書店に向けて特集や付録の情報を事前共有し、店頭告知物を提供するといった売場支援施策。対象誌は、売上前年比が107・0%と大きな伸張を見せている。

 

 週刊誌では、7月3日発売anan増刊号「BTS Special Edition」が好調で、同日発売の「anan」本誌もBTSを表紙に起用し、売上を伸ばした。雑誌全体で前年超えとはならなかったが、前月から2・1ポイント改善となった。

 

書籍97・9%

 

 書籍では文芸書、ビジネス書、学参の3ジャンルが前年を上回った。特に、文芸書は『希望の糸(東野圭吾/講談社)』『ノーサイドゲーム(池井戸潤/ダイヤモンド社)』『大家さんと僕とこれから(矢部太郎/新潮社)』が牽引し、18年11月以来の対前年プラスを記録した。

 

 ビジネス書は、『FACTFULNESS(ハンス・ロスリング/日経BPマーケティング)』『心。(稲森和夫/サンマーク出版)』『Thinkclearly(ロルフ・ドベリ/サンマーク出版)』が牽引し、2カ月連続で対前年プラス。

 

コミック101・5%

 

 コミックの新刊では、「ONEPIECE93(尾田栄一郎/集英社)」「ワンパンマン20(村田雄介/集英社)」等のジャンプコミックス作品が売上に貢献。既刊もTVアニメ化された「鬼滅の刃(吾峠呼世晴/集英社)」「薬屋のひとりごと(ねこクラゲ/スクウェア・エニックス)」が好調。コミックは12カ月月連続の前年超えを記録した。

 

開発品95・4%

 

 宝島社の「moz MULTI BAG BOOK」「MOOMIN お金が貯まるマルチポーチBOOK」が売上を伸ばしたが、前年に「Lee BACKPACK BOOK」(宝島社)が好調だったことが影響し、前年超えとはならなかった。