書店と商店街が連携「まちの本屋リノベーションプロジェクト」

2019年8月7日

第1弾・シェアオフィス「ホンヤノニカイ」開設

 

 横浜市港北区にある石堂書店は、東急東横線・妙蓮寺駅駅前商店街にある約25坪の書店。石堂智之店長の祖父が1949年に創業し、今年で70年を迎えた。これまで倉庫として使っていた2階と同店のはす向かいにある同書店の空き店舗をリノベーションし、コミュニティースペースとして活用するプロジェクト「まちの本屋リノベーションプロジェクト」を妙蓮寺のまちづくりに携わる松栄建設会社、菊名で出版社を経営する・三輪舎とともに立ち上げ、その第1弾として7月28日にシェアアフィス「ホンヤノニカイ」のお披露目会を開催した。


 石堂書店2階に開設したシェアオフィス「ホンヤノニカイ」は、約20坪。6月16日にDIYによる室内塗装をするのにあたり、SNSやポスターなどで同プロジェクトへの参加を呼びかけたところ、近隣住民のみならず子連れ親子など30人近く集まった。


 「ホンヤノニカイ」は二間あり、このうち一間に三輪舎が入居。もうひとつの部屋は自由に使うことができるシェアオフィスとして開放する。


 今後は、同書店の空き店舗をリノベーションし、本を中心にふらっと立ち寄れるカフェやイベントスペースとして利用できるブックスペース「こいしどうしょてん」をオープンする。改装や什器購入などに必要な経費は、8月中旬をめどにクラウドファンディングを立ち上げて調達する。


 お披露目会で石堂店長は、自店の売り上げが毎年5%ずつ落ちているとし、「本屋単体で経営していくのは厳しい。いろいろな世代の人が立ち寄れる場所をつくり、町と町に暮らすみなさんと関わりを築くことで、ともに発展していきたい」とプロジェクトに込めた思いを述べる。


 そのうえで、「DIYの呼びかけをしたところ、町づくりに興味を持つ人たちが集まってくれた。直接のやりとりすることで、潜在的なニーズを知ることができた。話を交わすことで、刺激をもらいながら、プロジェクトについて考えることができた。この取り組みの可能性を改めて感じている」と手応えを話した。

 

クラウドファンディング(外部サイト)

まちに本屋を残したい!『まちの本屋リノベーションプロジェクト』