ポプラ社×東京大学Cedep 共同プロジェクト「子どもと絵本・本に関する研究」発足

2019年8月8日

 

 ポプラ社は8月3日、東京大学大学院教育研究科附属発達保育実践政策学センター(東京大学Cedep)と共同で、子どもを取り巻く読書環境の改善を目的に、”本”の価値を科学的なアプローチで明らかにする「子どもと絵本・本に関する研究」プロジェクトを開始することを発表した。


 共同プロジェクト発足の背景には、デジタルメディアの普及が進み、乳幼児期にスマートフォンやタブレット端末に触れる子どもが増えているなかで、子どもたちが本や絵本との出合いの場であった書店が減っていることで、本や絵本に接する機会が減っていくことへの危機感があるという。

 


 共同プロジェクトでは、子どもの発育発達プロセスにおける本・絵本の固有性、認知能力・非認知能力の発達寄与の可能性、保育園や幼稚園での絵本を取り巻く環境などを科学的アプローチにより明らかにしていくことで、デジタルメディア時代の絵本・本の新たな価値を発見し、その研究成果を広く社会に情報発信していくことで、未来の子どもたちにより豊かな読書環境を提供することを目指していく。


 プロジェクトを開始にあたりポプラ社・千葉均社長は「”本”を通した親子のふれあいと、それをきっかけに子どもが読書好きなることは、幸せな人生の礎になると信じて日々活動しています。デジタル化の文脈の中で”本”の価値を科学的な見地で問い直すことは、各地で取り組む読書推進活動の根拠をアップデートすることにも繋がります」とプロジェクトの意義を述べる。


 そのうえで、「保育分野の学術研究機関の草分けである東京大学Cedepとの共同研究によって得られる新たな知見を広く社会に還元し、さまざまな分野の人たちと協働して、子どもたちの未来に貢献したい」とコメント。


 東京大学大学院教育学研究科附属発達保育実践政策学センター・遠藤利彦センター長は「デジタル教科書の小学校教育への本格導入など、教育の情報化が急速に進む中、ポプラ社と私どものセンターが共同で子どもの心の発達に幼少期からの本や絵本とのふれあいが真にどのような役割を果たし得るかということについて、基礎的かつ応用的な研究を展開できることはこの上ない喜び。この機会を最大限に生かし、学術的に価値のある知見を得て、それを社会に発信していきたい」と話している。

 

 

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