【関西】澪標(大阪市・松村信人社長)は8月1日、「本の構造から修理の心得・基礎を学べる」と好評を得た『図書の修理とらの巻』の第2弾、『続・図書の修理とらの巻』(NPO法人書物研究会編)を発刊した。
2017年に発刊した第1弾は、イラストや写真を多用し、本の修理に頭を痛めていた図書館関係者や本好きの人からの反響が大きく、5刷を重ねる。続編では、綴じの種類や製本、本の構造に加え、実践的な修理の進め方をイラストや写真でわかりやすく解説。紙や接着剤、修理にあると便利な道具なども収録している。両タイトルとも、クラウドファンディングで100万円を超える資金を調達し、発刊に至った。
NPO法人書物の歴史と保存修復に関する研究会(書物研究会)は、91年に書物の歴史保存修復に関する研究会としてスタート。04年に法人化し、大学図書館などでの所蔵本の修復・保存、修理講座を手がけ、阪神淡路や東日本大震災の際にも本の修復ボランティアとして活動してきた。
松村社長は「本の修復の需要は大きいが、手軽な類書がなかった。前作は図書館から大きな反響があり、18年の図書館総合展では売り上げ7位となった。本作もすでに2刷が決まり、書店でも学校営業で勧めてほしい」と力を入れる。
□A5判/並製カバー装/132㌻/本体1300円