「honto」『働く女性に贈る27通の手紙』トークイベント 著者が女性の悩みに答える=訂正あり

2019年9月25日

アメリカ在住の小説家・小手鞠氏(右)と、 ライターの望月氏(左)

 大日本印刷株式会社(DNP)が運営するハイブリッド型総合書店「honto」は9月11日、東京・新宿区のDNPプラザで「『働く女性に贈る27通の手紙』の著者・小手鞠るい&望月衿子と共に語らう夜」のイベントを開催した。

 

 『働く女性に贈る27通の手紙』は、作家・小手鞠るい氏と、その友人でライターの望月衿子氏が、女性の人生をテーマに綴った往復書簡。2018年に発売された同著のスピンオフ企画として、hontoのウェブサイトでは「読者との往復書簡」と題して女性の人生に関する相談を募り、小手鞠氏と望月氏がサイト上で相談に応えてきた。イベントでは、紹介しきれなかったテーマや、その場での質問について熱く語られた。

 

 50人を超える参加者は1階のカフェで飲み物を受け取りイベントスペースへ。受付には小手鞠氏と望月氏がおり、自ら参加者におやつのドーナツを手渡した。参加者は、思い思いの席でおやつを食べつつ、リラックスした雰囲気でトークショーは始まった。

 

サイトで読者と交流イベントで直接対話

 

 hontoの連載を担当した大日本印刷の森岩拓子氏から、自身の経験と企画の意図が語られ、ウェブサイト上で著者と読者が交流したうえで直接対話をする今回のイベントは、hontoとしても初めてのチャレンジだと明かされた。

 

 はじめのテーマは、サイトに寄せられた質問の中で最もビューの多かった「結婚〈しない〉という選択 どうしたら結婚しない選択に自信を持っていけるでしょうか?」。小手鞠氏からは「私は〝私の結婚〟を肯定している。30代だから結婚しなければいけないということはない。まずは、相手を見つけてから悩むこと。いないのなら待たずに探しに行きなさい」という助言があった。

 

 「子どもを持つ選択・持たない選択 『産まない人生』だからこそ得られたと思うことはありますか?」では、参加者自身が赤裸々に自らの体験を話し、思わず涙する場面もみられた。

 

 また、働きながら子育てをする女性のキャリアデザインに関する悩みも紹介された。子育てをしながらフルタイムで働く女性は、「この本を読んでいたので〝仕事は大変だけど、楽しい〟と子どもに答えることができた」と感謝を述べた。

 

2人の往復書簡で綴られた『働く女性に贈る27 通の手紙』(産業編集センター)

 「なにかトラブルがあったときは、経緯と気持ちを書き出してみるとよい」と小手鞠氏。『働く女性に贈る27通の手紙』に掲載された「仕事とは、一生を通して追求していく、人生を懸ける価値のあるもの」という言葉が紹介された。

 

 小手鞠氏から参加者に「女の人生は50歳から花開く。20代からの積み重ねが実るのは50歳から。30代、40代は準備期間。私もとてもとても苦しかった。だから、30代で(人生の)結論を出す必要はまったくない。がんばって」とエールが送られた。

 

 最後に、森岩氏から、自身の経験を踏まえ「手紙で悩みを書く行為が頭の整理になる」との発言があり、引き続き投稿を募集する旨のお知らせがあった。投稿にはサイト上での会員登録(無料)が必要。

 

 訂正:9月23日付3面「文化通信」ならびにウェブ掲載した「honto『働く女性に贈る27通の手紙』トークイベント」の記事で、文中の著者名と書名に誤りがありました。正しくは著者名が「小手鞠るい」さん。書名が『働く女性に贈る27通の手紙』です。関係者の皆さまにお詫びするとともに、訂正いたします。(9月27日)