KADOKAWAはこのほど、第26回電撃大賞(小説部門・イラスト部門・コミック部門)の受賞作品を発表した。小説部門の大賞には、二月公氏『声優ラジオのウラオモテ』が選ばれた。イラスト部門とコミック部門の大賞は該当作品がなかった。11月19日に、東京・港区の明治記念館で贈呈式と祝賀パーティーが開かれた。
同大賞のうち、小説部門の金賞は境居卓真氏『豚のレバーは加熱しろ』が、イラスト部門の金賞はコタチユウ氏(想定作品:秋山瑞人氏『イリヤの空、UFO の夏』)が、コミック部門の金賞に植下氏『ふたつめの心臓』と宮原都氏『一度だけでも、後悔してます。』が選ばれた。
贈呈式で、登壇した青柳昌行常務は、ヴェルレーヌの詩『智慧』から「選ばれてあることの恍惚と不安と二つ我に在り」の一説を引用。「受賞者たちもそのような思いをしているだろう、そういう時には自分たち編集者、出版社がいるので二人三脚で進めていきたい」と語りかけた。
小説部門の選考委員を代表して、アニメーション脚本家の吉野弘幸氏は「最終候補作品はどれも質が高く、賞は僅差での決定であった」と振り返った。さらに、26回を迎えた電撃大賞の歴代受賞者のうち、現在も作家として活動している者は約半分であること、厳しい世界ではあるができるだけ多く生き残ってほしいというのが選考委員の願いであることを告げ、「面白い作品を生み出してほしい」と語りかけた。
受賞者を代表した二月氏は、未だに実感がないと告白。しかし「選んでいただいたことに恥じぬよう、研鑽を重ねていきたい」と締めくくった。