エクスナレッジがこのほど発行した『建築知識』2020年1月号は、「世界一美しい本屋の作り方」を特集し、具体的な個人書店を例に平面図による店舗レイアウトから内装、ファサード、照明など建築専門誌らしい切り口で解説。さらに書籍の仕入方法や資金調達など開業から経営に至るノウハウまで紹介している。
特集は同誌130㌻のうち78㌻を占め、目次やキーワードと店舗の索引も付す。中で取り上げる書店は全国の40店舗近くに達する。
構成は序章を含めて4章立て。1章「設え方」では小規模、中規模、複合型など具体的な書店の平面図を示し、棚やレジ位置のレイアウトや照明、採光などを解説。「見せ方」の2章は棚回転率、導線、棚作り、企画を紹介し、開業式や事業継続についてのQAも付している。
3章「知っておきたい基礎知識」では本の形態、流通構造、飲食物の提供から、大手取次、小規模取次、出版社直接取引、楽天ブックスネットワーク「ホワイエ」、子どもの文化普及協会、トランスビュー取引代行といった実際に使われている多様な仕入方法の特徴や手続きなどを紹介する。
個人書店の開業が増える中、そうした書店を紹介する雑誌の特集や、体験談を中心にした書籍などは数多く刊行されるが、ここまで充実かつ整理された内容は異例。しかも、4色の図版やイラスト、画像を多用しておりビジュアル的にも取っつきやすい。
同社は2011年に『世界の夢の本屋さん』『世界の美しい本屋さん』『人生を変えた本と本屋さん』といった図版中心の書店関連書籍を刊行してきた。
□B5判/130㌻/本体1564円