情報工場とトーハンが資本業務提携で基本合意

2019年12月25日

 書籍ダイジェストサービス「SERENDIP(セレンディップ)」などを提供する情報工場は12月25日、トーハンと資本業務提携の検討を開始することについて、基本合意書を締結したと発表した。

 

 提携について両社は、①「SERENDIP」サービスのリアルとネット相互における体験機会の拡大②同サービス普及による読者の商品購入機会の拡大③閲覧情報および販売情報を活用したマーケットイン型書籍流通の実現④両社のサービス拡大と深化、書籍販売を促進するための出版社との関係強化――で検討を進めていくという。

 

 情報工場の広報担当者によると、「SERENDIP」の会員が書店に立ち寄って書籍を購入したり、「SERENDIP」が閲覧できる場を店頭に設け、サービスの認知度を高めることを構想している。また、トーハングループ以外の書店でもサービス体験の場を広げていく方針だという。

 
 構想段階としつつも、閲覧情報を活用したマーケットインの実現については、「SERENDIP」のデータを分析し、書籍に高い関心を持つユーザーのトレンドや、マーケット全体の傾向といったデータに加工したうえでトーハンに提供。トーハンはユーザーのニーズを起点として、出版市場の活性化につなげたいとしている。

 

書籍ダイジェストサービス「SERENDIP」

 

書籍ダイジェストサービス「SERENDIP」

 情報工場の提供する書籍ダイジェストサービス「SERENDIP」では、ビジネスパーソン向けに書籍を厳選し、10分で読めるハイライトを配信している。

 

 三菱商事や富士フィルム、JT(日本たばこ産業)など、大手企業との取引実績を持ち、現在約240社8万人以上の会員を誇る。

 

 また、情報工場はクライアント企業からの書籍の一括購入、「SERENDIP」と連動した書店での棚展開、著者をセミナー講師としてクライアント企業へ紹介するなど、多岐にわたるサービスを提供している。

 

中期経営計画「REBORN」

 

 トーハンは2019年4月から中期経営計画「REBORN」をスタート。新しい出版流通の形として、未刊・近刊情報を活用した事前予約に対する供給(マーケットイン型)と、AIを組み込んだ高度な配本(プロダクトアウト型)を融合させ、40%超の返品率を33・4%に下げるなどの目標を掲げている。

 

【企業概要】

〈株式会社情報工場〉
 2005年11月設立、従業員13人、資本金8600万円

 

〈株式会社トーハン〉
 1949年9月設立、従業員2220人(連結・2019年3月末日現在)、資本金 45億円

 

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