河出書房新社『日本文学全集』完結記念セール 店頭・外商で拡販施策

2020年1月30日

30巻が完結する日本文学全集

 

 河出書房新社の『池澤夏樹=個人編集 日本文学全集』全30巻が2月25日取次搬入の角田光代訳『源氏物語 下』で完結する。これに合わせて同社はセット販売用のケースを作成し、書店向けの特別報奨を提供するなどして、既に完結している『池澤夏樹=個人編集 世界文学全集』とともにセット受注に取り組んでいる。

 

特別報奨を設定 1セット1万円

 

 『日本文学全集』は2014年の『古事記』を皮切りに刊行を開始。近現代作家の作品と、作家による新訳を中心とした古典作品を収録するなど新たな切り口によって、定期予約4200セット、既に30巻中7巻を重版し累計52万部と売れ行きを伸ばしている。

 

 完結記念セールは『日本文学全集』と、やはり2600セットの定期予約を獲得し累計40万部に達している『世界文学全集』(限定50セット)を対象に、30巻セットでの販売に対して1セット1万円の報奨金を設定。

 

 一括購入特典として非売品の完結記念スペシャルブック『池澤夏樹と語る日本文学の愉しみ(仮)』を同梱するほか、各巻刊行時に評判になった帯装画のポストカード5種類を1冊につき1枚ランダムに挿入する。

 

 報奨期間は2月25日から6月30日まで。専用ケースに付ける特別スリップで集計する。条件は3カ月延べ勘定。

 

 また、店頭フェアを『源氏物語 下』の発売に合わせて展開するため、同巻を除いた29巻セットでの受注も進めており、2セット以上の注文に対しては出荷時に30点全点の手書き風POP、店頭配布用「読み比べしおり」を同梱する。

 

 『源氏物語』の3巻完結では3巻セットの美麗ケースを作成。角田氏のメッセージカードを付けてセット販売を促す。

 

 1月29日に開いた専門紙向け記者発表で、同社営業第一部次長兼第一課課長の田丸慶氏は、「全巻揃っていなかったり、完結してから購入するという図書館もある。そうしたところにはくまなくご案内いただきたい」と書店に拡販を呼びかけていく考えを示した。

 

立ち上がり好調、それぞれ100セット超の注文

 

 また、1月中旬から開始した受注活動については、「店頭フェア用の全巻セットと角田源氏の3巻セットは、これまでそれぞれ100セットを超える注文をいただいており、立ち上がりの反応はかなり良い」と手応えを語った。

 

 完結時には朝日新聞に全5段カラー広告を掲出するほか、読売新聞、毎日新聞にも出稿するなど宣伝にも力を入れる。

【星野渉】