出版の現場は“不測の事態”が“必ず”発生する場所だともいえる。そして、不測の事態に対応するためには「意思疎通のための共通言語(=基礎知識)を理解し、仕事の『感覚』を身につける、つまり全体の流れを把握できるようになること」(本書より)が求められる。
『最新版 図解 よくわかる印刷発注のための実務知識』(同文舘出版)は、印刷業務に必要な基礎知識を網羅・解説しているのに加え、コミュニケーションのノウハウも含めて丁寧に解説した実務書だ。
著者は複数の出版社で多数の本を担当したベテランの編集者であり、出版用紙など資材発注業務の経験もある小林茂樹さん。
見開きごとに現場で使える豊富な図版を配しながら、業務で必要なチェックポイントを分かりやすく提示。紙やインキの違い、デジタル印刷の知識、原価の考え方などの情報も広く掲載されている。
印刷や資材業務の全体像をつかみ、業務効率化やクリエイティブに生かしたいと思っている編集者にぜひ読んでもらいたい1冊だ。
【堀鉄彦】