日本漫画家協会と出版広報センターは2月4日、「海賊版サイト対策のための迅速かつ適切な著作権法改正を求める共同声明」を発表した。
声明では「侵害コンテンツのダウンロード違法化の制度設計等に関する検討会」のまとめについて、「脱法行為を容易に招かず、かつ、善良なユーザーに過度な萎縮が生じないバランスの取れたもの」と評価。
そのうえで、違法アップロード対策の強化が重要と強調し、示された内容に沿った「侵害コンテンツのダウンロード違法化」と「リーチサイト規制」を盛り込んだ著作権法改正案の成立を強く求めている。
共同声明は日本漫画家協会と出版広報センターのホームページで公開されている。全文は以下の通り。
日本漫画家協会:https://www.nihonmangakakyokai.or.jp/
出版広報センター:https://shuppankoho.jp/
文化庁:「侵害コンテンツのダウンロード違法化の制度設計等に関する検討会」まとめ
https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/91997501.html
賊版サイト対策のための迅速かつ適切な著作権法改正を求める共同声明
令和2年2月4日
公益社団法人 日本漫画家協会
出版広報センター
漫画家ほかクリエイターの利益を不当に奪う海賊版サイトへの対策に、日々ご協力くださっている読者・ユーザー、有識者、通信事業者、立法・行政関係者ほか全ての方々へ、改めて心からの感謝を申し上げます。
私たち日本漫画家協会および出版広報センターは、「侵害コンテンツのダウンロード違法化の制度設計等に関する検討会」における議論のまとめで示された措置について、かねてより私たちが求めていた「脱法行為を容易に招かず、かつ、善良なユーザーに過度な萎縮が生じない」バランスの取れたものであると受け止めています。
加えて、自由民主党および公明党における議論が、それぞれ提言として迅速にまとめられたことについても謝意を表します。各提言の内容に異存はなく、なかでも「違法アップロード対策の強化」は特に重要な課題だと認識しています。
私たちは、上記で示された内容に沿った「侵害コンテンツのダウンロード違法化」と「リーチサイト規制」のための著作権法改正案の今通常国会への提出および成立を、強く願うものです。
今この瞬間にも深刻な海賊版被害は生じており、漫画家をはじめとしたクリエイターやコンテンツ産業全体に甚大なダメージが積み重なっている状況に変化はありません。海賊版サイトが奪うのは、単に経済的利益のみならず、デビューから間もない若き才能、そして夢です。このような長期にわたって影響する深刻な被害を防ぐためには何よりも、迅速かつ実効性を伴う対応が欠かせません。
一方で、法改正が成立した暁には、国民・一般ユーザーの皆さまへの普及・啓発や、正規版コンテンツであることを示すABJマークの利用促進など、引き続き海賊版の撲滅に向けた自主的努力を全力で続けてまいります。このような取り組みについて、漫画を愛してくださる全ての方々のご理解とご協力を、あわせてお願い申し上げます。