小規模な個人書店などが出店する初のイベント「二子玉川 本屋博」が1月31日~2月1日の2日間、東京・世田谷区の二子玉川ライズガレリアで開かれ、約3万3000人が来場し、2日間で書籍や雑貨などをあわせて1万126点の商品を販売する盛況ぶりとなった。
このイベントは二子玉川蔦屋家電で人文コンシェルジュを務める北田博充氏が企画し、北田氏を中心にした本屋博実行委員会が主催、日本紙パルプ商事㈱とユアニチャー㈱が協賛、二子玉川ライズ・ショッピングセンターと二子玉川蔦屋家電の協力で開催した。
会場には個人書店など40店がブースを構えたほか、トークイベントや音楽ライブなどイベントを開催し、キッチンカーも出店。また、日本紙パルプ商事は紙漉きやブックカバー作りのワークショップを開催した。
初日は開場した11時から多くの来場者が訪れ、ブース3軒で購入してスタンプを集めるスタンプラリーも午前中で用意したトートバック80個などの賞品がなくなり終了。出展者からも予想以上に来場者も売り上げも多いという声が聞かれた。
会場では、各書店ブースで店主と来場者が会話する姿も多く見られ、書店人とのコミュニケーションの場になっていた。
イベントは、出店した書店人やクリエーターなどによるトークや音楽ライブなどが、会場の特設ステージと二子玉川蔦屋家電のダイニングで2日間にわたって計15開催された。
本屋博を企画した北田氏は、コメントの中で第2回を開催する意欲を示している。
実行委員会では、出展者の詳細な紹介と、プレイベントとして二子玉川蔦屋家電で開いたトークイベントなどを収録した冊子『本屋の本当 40の個性あふれる本屋と探る本と本屋の可能性』を作成し、会場で本体1000円で販売。この冊子はオンラインショップでも販売している。
【星野渉】
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北田博充氏のコメント
二子玉川を「本と出会える街」に
本屋博は、「本屋の魅力≒その本屋で働く人の魅力」だと考え、人(書店主・書店員)に焦点を当てたフェスです。
本をあいだに置き、人と人とが会話をする場所にしたいと考えていましたが、各ブースでの濃密なコミュニケーションは想像以上で、会場を包み込む本を愛する人たちの熱気に感極まり、思わず涙ぐんでしまったほどです。
お客さん、出店者さん、イベント出演者さん、協賛企業さん、私たち実行委員、全員が幸せになれたフェスだったと感じています。
出版不況というネガティブな言葉は忘れて、本と人とをつなぐ場所をつくることにポジティブに取り組んでいけば、まだまだたくさんの可能性があると確信しました。
今後は、もう少しあたたかい季節に、第2回目を開催できればと考えています。いくつかのサテライト会場を設けて、街ぐるみで本屋博を開催することで、ゆくゆくは二子玉川を「本と出会える街」にすることが今の夢です。
主なブースと出店者の画像