小中学校の休校で、学習参考書などの売れ行き増加

2020年3月5日

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、小中学校の一斉休校など対策が行われている。その影響もあって学習参考書や児童書などの売れ行きが伸び、出版物全体の売り上げも押し上げているようだ。

 

 日本出版販売(日販)が発表した2月期の店頭売上前年比調査では、コミック・学参の好調さが目立ち、全体で前年同月比5・0%増となり、伸び率は前月より3・1ポイント上昇し、3カ月連続での対前年プラスとなった。

 

 書籍で伸びたジャンルは学参が同11・8%増、ビジネス書が同5・9%増、児童書が同5・6%増、専門書が同0・7%増。このほか、月刊誌が同2・8%増、コミックが33・1%増となった。

 

 日販では新型コロナウイルス感染症対策の影響として、「小中学校等の一斉休校の要請が出された影響により、学参は学習ドリルなどの売り上げが急伸し、2019年7月以来の対前年100%超となった」としている。

 

 このほか、大手書店でも学参や児童書類の売れ行きがよく、特に休校が始まる直前の2月末の週末は客数も売上金額も伸びた店舗が多かったという。また、店舗の立地では都心部のターミナル店より郊外店の方が伸びているという。

 

 一方で、大型商業施設が営業時間を短縮するケースが増えるといったマイナス要因もあるという。

 

【星野渉】