トーハン 有償教科書などの支払い時期猶予を決める

2020年3月16日

 トーハンは新型コロナウイルスの感染拡大防止に伴って学校の休校が長期化していることに対応し、各都道府県の教科書特約供給所(教販)に対して、高等学校へ供給する有償教科書などの3月末締め支払について柔軟に対応することを通知した。

 

 義務教育の小中学校の検定教科書は国が買い上げ無償で供給されるが、高校教科書は有償で販売されている。この販売時期に当たる3月に多くの学校が休校に追い込まれていることから、各地で教科書を扱っている書店は販売時期の見通しが立たず、各地で書店に教科書を卸している教販は、書店からの入金がないまま3月末の支払い期限をむかえることも予想される。

 

 こうした状況を受けてトーハンでは、教販への支払期限を1カ月程度猶予することによって、こうした教販とともにその取引先の地域書店も支援することを決めた。

 

 教科書とともに販売されることが多い辞典など採用品については、支払時期を遅くする条件「延勘定」が設定されることも多いというが、こうした商材についても各教販、書店の事情に応じて柔軟に対応するとしている。

 

 全国の教科書特約供給所は東京都や大阪府に複数あり合わせて53社ある。高校教科書の市場規模は約250億円に達するとみられる。

【星野渉】