マガジンハウスは3月4日、同社刊行の女性グラビア週刊誌『anan』が創刊50周年を迎えたことを記念し、人気アイドルユニット「King&Prince」を配した「創刊50周年記念特別号」を2バージョンの表紙で同時発売した。
発売前からネット書店では販売予定数が完売し、全国書店店頭でも発売当日から完売店が続出。各書店などから追加注文が殺到したことを受け、同社はこのほど、2冊同時の緊急重版を決定した。
今回は同ユニットが、同誌のマスコットキャラクターである「アンアンパンダ」の着ぐるみを身に着けた「創刊50周年特別記念特別号」を880円(税込)で販売する一方、スーツに身を包んだバージョンの表紙を「同スペシャルエディション」として990円(同)で販売。それぞれ異なる演出で見せた表紙が相乗効果を生み、大きな反響を呼んだ。
また村上春樹氏による「村上ラヂオ」や、小泉今日子さんによる「パンダのanan」など、かつての人気連載の同号限定復活に加え、女性の一人旅ブームを作った「アンノン族」や、アパレルショップの店員の呼称「ハウスマヌカン」など、同誌から生まれた、当時の社会現象についても触れており、往年のファン読者をはじめ、異なる読者層に訴求したことも奏功した。
1970年の創刊以来、各時代を象徴するポップアイコンらが表紙を飾ってきた同誌だが、今回、東京メトロ新宿駅のメトロプロムナードで、その表紙アーカイブともいえる展示に加え、アンアンパンダの巨大人形や柱広告など、宣伝広告を大きく展開(3月2日~8日まで実施)。記念撮影や表紙アーカイブに見入る通行客、写真をSNSにアップするファンなどでにぎわいを見せた。
一方、本誌と連動し、WEB上でも特設サイトを開設。「私とanan」というテーマで、フリーアナウンサーの田中みな実さんや俳優の高橋一生さんなど、同誌の表紙を飾った旬なタレント、さらにはかつて連載や特集に携わっていた美術家の横尾忠則氏や写真家の篠山紀信氏もコメントを寄せており、同誌のこれまでの軌跡をたどる構成になっている。
同社担当者は「創刊50周年という節目をきっかけに、さらに多くのお客様に満足していただけるよう、商品力に磨きをかけ、出版業界に還元していきたい」と意気込みを語る。
なお同社では、今回の重版分について、3月25日販売を目途に搬入する予定としている。
【山口高範】