河出書房新社『ピーナッツ全集』 7万円の全巻予約が5300セット突破、予約受付を6月末まで延長

2020年3月19日

刊行は毎月2冊ずつで、2020年11月に配本を完了する

 

 河出書房新社は2019年10月29日から刊行している『完全版 ピーナッツ全集 スヌーピー1950~2000』(全25巻)の全巻予約申し込み期間を、当初の20年3月末締切から6月末まで延長すると発表した。

 

 同シリーズの全巻予約は本体7万円(税抜)にもかかわらず、刊行直前の19年10月25日に予約数が2500セット以上となり、20年3月時点で5300セット超を達成。高額の作品集としては異例の売れ行きを見せている。

 

『完全版 ピーナッツ全集 スヌーピー1950~2000』(全25巻)

 

 申し込みは全国の書店で受け付けており、同社によると注文の多くは個人からによるものだという。ツイッターでは購入報告を行うスヌーピーファンや、購入予算、置き場所で悩むつぶやきを投稿するユーザーなど、SNS上でも話題となっている。

 

翻訳は谷川俊太郎氏が担当。未訳だった約2000作も収載

 

 ピーナッツ全集は『The Complete Peanuts』の日本語版。アメリカの漫画家チャールズ・モンロー・シュルツ氏が1950年から連載を開始した「ピーナッツ」の全作品を掲載順に収録した初めての作品集。翻訳は日本で「ピーナッツ」が初出版された頃からの翻訳者である谷川俊太郎氏が担当。未訳だった約2000作を新たに訳し、これまでの訳も全面的に改訂した。

 

書店店頭での展開後、認知度が高まる

 

 同社への資料請求が4000件以上寄せられるなど注目度は高く、当初の予約締切日3月末が迫る中でも、購入検討者は増え続けた。プロモーション面では読売新聞と朝日新聞で広告を掲出し、そのほかウェブからの発信も行った。

 

 同社によると2019年10月から刊行が始まり、書籍が書店店頭で展開され、認知度が一段と高まったという。また、資料請求が多く寄せられたことから、同社は全巻予約の価格が本体7万円ということもあり、購入決定までに時間かかかると考え、申し込み期間の延長を決定したという。刊行は毎月2冊ずつで、20年11月に配本を完了する予定となっている。

 

購入特典「別巻」「スペシャルポスター」、全巻予約を後押し

 

 また、特典として全巻予約者に限り、スペシャルポスター3枚と26巻目にあたる「別巻」をプレゼントする。「別巻」は1コマ作品や広告用作品のほか、通常の連載作品以外の「ピーナッツ」を集成した1冊。予約数に合わせて生産しているため、「別巻」のみの販売は予定しておらず、全巻予約の特典でしか入手できない。

 

【刊行スケジュール】

[第1期 黄金時代編]全10巻 第11~20巻(1971~1990年)2019年10月~2020年2月
[第2期 ヴィンテージ編]全10巻 第1~10巻(1950~1970年)2020年4月~2020年8月予定
[第3期 完結編]全5巻 第21~25巻(1991~2000年)2020年9月~2020年11月完結予定

 

 □A4判変形/上製カバー装/各巻平均336㌻予定/各本体2800円/全25巻セット本体7万円

 

【鷲尾昴】