日本新聞協会の理事会は3月18日に東京都内で開かれ、全国で新型コロナウイルスの感染が拡大する中、新聞各社の対応などについて情報交換した。その中では、各紙の記者に陽性反応が出た場合、難しい対応を迫られることへの心配の声や、新聞販売店や印刷工場で感染者が出た場合の対応についても、各社で検討されていることが報告された。
新聞協会事務局によると、理事会開催に先立ち、山口寿一会長(読売)が3月度の会合を開くことになった経緯を説明。開催には逡巡したが、理事会を中止することで活動が停滞しかねるのではないか、これまで経験のないような状況が起こっている中、各社と情報交換をするなら今ではないかといった考えなどから、広瀬兼三副会長(北海道)、一力雅彦副会長(河北)に相談しながら開催を決めたという。
情報交換では、3月中にあった技術委員会、編集委員会、メディア開発委員会の中で話し合われた各社の対応について、事務局がそれをまとめ報告した。
それによると、新聞各社は在宅勤務や時差出勤で対応。在宅勤務は日数や対象職場を広げるなど、運用を拡大している。印刷工場はリモートワークが難しいため、感染者が出た場合、印刷を他工場に振り分けるなどの検討が進められている。
記者への対応迫られる場合も
さらに、記者の中で陽性反応が出た場合、取材源の秘匿の関係もあり、極めて難しい対応を迫られるという意見もあったという。
また、3月12日に開かれた編集委員会では、感染者が出た場合、各記者クラブが使用できなくなる可能性もあるため、行政機関などと事前に話し合うよう要請したことも報告された。
【増田朋】