楽天ママ割×楽天ブックスから読み解く傾向 小学校入学シーズン、子育て世代の購入トレンド

2020年4月7日

 楽天が運営するオンライン書店「楽天ブックス」は今年3月、小学校入学と本の購買傾向についてアンケート調査を実施した。対象は子育て中の父・母を対象とした「楽天市場」の会員プログラム「楽天ママ割」の会員622人。調査によると、小学校入学に備えて「本を購入したい」と回答した親は6割を超え、「実際に購入した」との回答も過半数となった。購入理由では入学の前後で、「想像力や教養」を養うから、「基礎学力」の重視への変化が見受けられた。

【鷲尾昴】

 


 

小学校入学に備え、本の購入意欲が高まる

 

 

 「楽天ママ割」の調査はインターネットで2020年3月5日から9日にかけて実施。小学校入学前の子ども(年中・年長)を持つ親361人、小学1・2年生の子どもを持つ親261人、合計622人の回答を独自集計し、「小学校入学準備と本に関するアンケート調査」をまとめた。

 

 調査結果によると、小学校入学前の子ども(年中・年長)を持つ親の67・3%が「小学校入学準備として本を購入したい」と回答し、小学1・2年生の子どもを持つ親の58・6%も「小学校入学準備として本を購入した」と回答した。

 

 

 小学校入学というライフイベントにあたり、親の本に対する購買意欲が上昇している。また、「小学校入学準備としてどのような本を購入したいですか?/しましたか?」と聞いたところ、1位「学習ドリル・問題集・参考書」(小学校入学前の子を持つ親:24・4%、小学1・2年生の子を持つ親:31・5%)、2位「図鑑」(同:21・1%、同:17・4%)となった。

 

 小学校入学前の子どもを持つ親と、小学1・2年生の子どもを持つ親の双方で、「学習ドリル・問題集・参考書」と「図鑑」が合計4割を超えた。

 

入学前後で理由に変化、「想像力」から「基礎学力」へ

 

 

 本の購入理由を聞いたところ、小学校入学前の子どもを持つ親は「子どもに想像力や教養を身に付けてほしいから」が33・8%と最多だった。それに対し、小学1・2年生の親においては「子どもに小学校で学ぶ科目の基礎学力をつけてほしいから」が32・3%と最も多く、入学前後で購入理由が変化する傾向があると分かった。

 

売り上げピークは3月、各ジャンルをランキングに

 

 

 19年度に小学校に入学した子どもを持つ「楽天ママ割」会員を対象とした「楽天ブックス」の「学習参考書・絵本・図鑑関連本の売上 推移」では、入学直前となる19年3月が売上のピークとなった。楽天ママ割会員への販売データをもとに独自集計し、今回のアンケート調査で親の関心が最も高かった「学習ドリル・問題集・参考書」関連本のトレンドをランキングにまとめた。

 

 それによると、20年度の1位は『日本一楽しい入学準備ドリル うんこ入学準備ドリル』だった。同書は17年に発売された人気の『うんこ漢字ドリル』シリーズのひとつで、入学までに覚えておきたい「生活」「国語」「算数」の3科目の学習内容や、学校生活のマナーが自然と身につくことを目指した学習ドリル。

 

 学習ドリルで見ると、『すみっコぐらし学習ドリル 入学準備小学1年のひらがな カタカナ』、『くもんのはじめてみましょう! 小学校の入学準備ドリル』も両年度においてトップ10に入った。

 

「入学準備ドリル」好調、プログラミング本も7位にランクイン

 

 

 特に「入学準備ドリル」シリーズは、20年度に3冊、19年度には2冊がトップ10にランクインした。また、20年度の7位には『すみっコぐらし学習ドリル 小学1・2年はじめてのプログラミング』がランクインし、20年度から始まるプログラミング教育に対する親の関心が現れている。

 

 このほか、子どもが読む本が多数を占める中、19年度の2位、20年度の3位に、親向けに性教育の育児書『お母さん! 学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』がランクインした。

 

 

 「図鑑関連本ランキング」では、両年度ともに『ポケットモンスターサン&ムーン ポケモン全国大図鑑』が1位を獲得。2位以降は全て学習系の図鑑がランクインし、両年度において『さわって学べる算数図鑑』が3位以上にランクインした。