【新型コロナ】新聞労連 緊急事態宣言発令で声明「記者会見の安全確保」など求める

2020年4月8日

 政府は4月7日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、緊急事態宣言を発令した。それに伴う改定後の「基本的対処方針」で、政府が事業の継続を求める事業者が公表された。その中には、メディア(テレビ、ラジオ、新聞、ネット関係者等)も含まれている。これ受け、新聞労連は7日、記者会見の安全確保、政府の一連の対応について会議録を作成・公開して説明責任を果たすことを求める声明を出した。


 声明によると、「報道機関として、市民への正確な情報提供と、強い権限を持つ政府や自治体が適切に権限を行使しているかの監視が重要になる一方で、取材を行う記者の安全確保も喫緊の課題」と強調。「収束時期が見通せないなか、それらを両立し、市民の『知る権利』に資する持続可能な報道の体制づくりが急務」とした。


 具体的には、感染拡大の状況や対策について、記者会見の重要性が増すが、「会見場の安全性が十分に確保されていない状況がある」と指摘。「各省庁で、それぞれが十分な間隔を空けて取材ができる広めの会議室や講堂に会見場を早急に移設すべき」と求めた。オンライン上の記者会見・ブリーフの導入も求めた。


 また、新型コロナウイルス感染症への対応について、行政文書管理ガイドラインに定めのある「歴史的緊急事態」に該当すると閣議了解で決定しているとして、「政府内の会議について、会議録の作成と早急な公開を求める」とした。


 特に「従来、報道機関に公開されていた会議については、オンライン化するか、音声データを報道機関に即時公開するよう求める。報道機関側も、従来の密着型の取材の継続が難しくなるなか、公権力の『説明責任の強化』を業界あげて具体的に求める必要がある」と要望した。