日本雑誌広告協会 緊急事態宣言下の基本指針 リモートワーク推奨、デジタル版の活用を訴える

2020年4月9日

緊急事態宣言下の基本指針

 

 日本雑誌広告協会(雑広協)は4月8日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、緊急事態宣言下における雑誌広告業務の基本指針を発表した。発表では「従業員・関係者および家族の健康に配慮し、安全を保てる環境下において、雑誌の発行・雑誌広告掲載を可能な限り行う」との指針が示された。

 

 そのほか、本誌の発行が不可能となった場合はデジタル版等、インターネットなどを通じて雑誌コンテンツを提供し、広告活動も可能な限り継続するとした。業務上の感染対策については、在宅・リモートワークの実施を推奨している。

 

 新型コロナウイルスの感染拡大と雑誌発行をめぐる動きでは、日本雑誌協会(雑協)が2月25日、「新型コロナウイルスの影響による雑誌発売日の遅延」についての見解を発表。「一部雑誌の発売日等に遅れが出ること、および付録の出荷遅延により、次号予告の内容が変更されることが明らかとなりました」との報告があった。

 

 その後、雑誌イベントの中止や延期が相次ぐ中、3月24日に小学館が30代男性社員の感染を発表し、翌25日には濃厚接触者の1人である40代男性社員の感染を公表した。また、27日には宝島社が30代男性社員の感染を発表するなど、3月下旬から出版社での感染例が報告され始めた。

 

 直近では、4月7日に集英社が40代社員の感染を発表。翌8日、漫画雑誌『週刊少年ジャンプ』編集部に勤務する、別の40代社員も新型コロナウイルスに感染した疑いがあるとして、同編集部での作業を一時中断。「週刊少年ジャンプ21号」(紙版・デジタル版)の発売延期を決めるなど、雑誌制作に大きな影響を与えている。

 

 ホームページで発表した雑広協の基本指針は次の通り。

 


 

緊急事態宣言下における雑誌広告業務について

 

1.基本方針
 (ア)雑誌広告に関わる関係各社従業員・関係者及びその家族の健康に十分に配慮し、安全・安心な環境作りを行う事を要請致します。

 

 (イ)安全を保てる環境下において、雑誌の発行・雑誌広告掲載について可能な限り行うものと致します。

 

 (ウ)雑誌の制作、印刷、取次、書店等の環境変化により本誌での発行が不可能となった場合でもデジタル版、インターネットなどを通じて雑誌コンテンツを提供し、それに伴う広告活動も可能な限り努めていきます。


【業務上のポイント】

① 安全な業務環境
 業務上において具体的には下記施策を推奨いたします。

 (ア)「感染症対策」「咳エチケット」の実施
 (イ)「3つの『密』」を行わない業務環境作り・業務対策の実施
 (ウ)「在宅」・「リモートワーク」の実施
 (エ)「デジタルネットワーク」の活用

 

② 継続的な雑誌発行
 緊急時における継続的な雑誌発行

 (ア)発売日や刊行形態の変更への対応
 (イ)インターネット・デジタル版での発行

 

③ 広告掲載活動の継続
「在宅」・「リモートワーク」環境に対応した広告掲載業務の実行

 (ア)純広告のトラフィック対応
 (イ)安全な環境下での企画進行対応