【関西】創元社(大阪市・矢部敬一社長)は3月13日、専業主婦でありながら、これまでにない服飾ブランドを立ち上げたビジネスエッセイ『ワンピースで世界を変える!』を発刊した。
著者は17年、「男性もきれいに着こなせるかわいい洋服」をコンセプトにジェンダーフリーのファッションブランド「ブローレンヂ」を立ち上げたブローレンヂ智世。男女の骨格や体型の違いを考慮した独自のデザインで、性別を問わず着心地よく自然なラインで着られる女性服を開発、工場生産に漕ぎつけた。
著者はアパレル業界の厳しい現実を経験し、結婚、大学入学を経て「自分のブランドを立ち上げたい」の熱意を高めた。同書にはSNSを活用した市場調査から資金調達、縫製工場や生地探しまで、起業に必要な手続きを具体的に示すとともに、熱意をもって大企業のスポンサーを獲得し、東京大学安田講堂で史上初のファッションショーを実現するまでが描かれる。起業エッセイでありながら、性別にかかわらず着たい服を着られる世の中を目指す著者の社会的メッセージも込められている。
同社編集局の小野紗也香エディターは、「モノづくりの世界でがむしゃらに頑張る若い著者の起業本として元気をもらえる一冊。ビジネスやファッション、ジェンダー本コーナーなど多面展開も勧めたい」としている。
なお、同書の帯は著者の出身校・関西大学の学生が読書推進企画「オビプロ」で制作した最優秀作品を市販用に採用した。
『ワンピースで世界を変える!』=四六判並製/208㌻/本体1400円
【櫻井俊宏】
【訂正とお詫び】
記事初出時、本文のブランド名と氏名に誤りがありました。ファッションブランドを「ブローレンジ」と記載していましたが、正しくは「ブローレンヂ」です。また、氏名についても正しくは「ブローレンヂ智世」でした。お詫びして訂正いたします。(4月14日)