大阪・兵庫の書店状況、配達に影響出るも店頭には多くの来店客

2020年4月16日

 【関西】緊急事態宣言が発令された大阪府では、書店は休業要請業種には含まれないものの自主的に休業する大型店や、商業施設の指示で休業を余儀なくされる店が多発している。大阪府書店商業組合によると、営業を続ける町の中小書店も美容院や歯科医が休業のため、配達面で影響が出ているが、大型店が休業しているため地域書店に客が流れ、学習参考書、児童書、コミックなどの動きが活発化しているという話が入っているという。

 

 この状況に大阪組合・面屋龍延理事長(清風堂書店)は「世の中はきびしい状況にあるが、自宅で過ごす子供たちが本に親しむきっかけになってほしい」と前向きにコメント。

 

 また毎年5月開催の書店組合総会は、3、4月の理事会を取りやめていたため、議案書の承認が成立せず、現在調整中。「大阪こども『本の帯創作コンクール』」などの読書推進活動も準備活動に組合員が集合できていないが、開催に向けて作業日程の見直しなどを進めている。

 

 同じく緊急事態宣言が出された兵庫県では、兵庫県書店商業組合・森忠延理事長(井戸書店)によると、「一部のチェーン店などを除き、組合に加盟する地域の書店は営業を続けている。休校で家にいる子供たちに保護者がドリルや参考書を購入するケースが目立ち、自宅待機となった大人もクロスワード本や、通巻の多い歴史小説などをまとめて購入する姿も見られる」とこちらも好調の模様。大阪と同じく美容院などの休業で配達業務は支障が出ているという。

【堀雅視】