【楽天ブックス×楽天ママ割】絵本・図鑑・ドリルの購入理由を分析、子育てと本に関するアンケート調査

2020年4月27日

 楽天が運営するオンライン書店「楽天ブックス」は3月5~9日にかけて、子育て中のママ・パパを対象とした会員プログラム「楽天ママ割」のメンバー2810人を対象に「子育てと本に関するアンケート調査」を実施した。

 

 調査によると「購入して良かった本」について、年少(4歳)以下の子を持つ親は読み聞かせの「絵本」、年中(5歳)・年長(6歳)の子を持つ親は「図鑑」の回答が目立った。小学生の子を持つ親の回答では、小学校の勉強に役立つ学習ドリルなどが挙げられ、理由は「子どもが勉強に対して意欲的になったから」が最多となった。小学校3年生以上の子を持つ親の回答のみで見ると、「子どもの知的好奇心を満たしたから」が理由の24.0%を占めている。

 

子育てに関する書籍 3部門のランキングを発表

 

 また、「楽天ブックス」と「楽天ママ割」の双方を利用する会員データを基に、子育てに関する書籍3部門「絵本・児童書・図鑑部門」「美容・暮らし・健康部門」「文庫部門」で、子どもの年齢別売上ランキングも発表した。

 

 「絵本・児童書・図鑑部門」では、0歳と1歳の子を持つ親の回答を見ると、トップ10のうち、7冊以上が読み聞かせ向きの絵本が選ばれた。3歳以上の子を持つ親の回答では、学習ドリルや辞典などが最も多くランクインした。

 

 「美容・暮らし・健康部門」において、0歳の子を持つ親の回答では、離乳食に関する本や児童書がトップ10を独占。1歳以上の子を持つ親の各ランキングおよび年中・年長以上の子を持つ親のランキングでは、料理レシピに関する本が3冊以上ずつランクインした。

 

 「文庫部門」では、0と1歳の子を持つ親のうち、「子育て・教育本」が上位6冊を占めた。0歳から小学1・2年生までの子を持つ親のランキングでは、『保育士おとーちゃんの「叱らなくていい子育て」』が首位となった。

 


 

楽天ブックス×楽天ママ割「子育てと本に関するアンケート」結果


年少以下 読み聞かせに適した「絵本」が人気を集める

楽天ブックス調べ(回答数=1891)

 

 年少以下(4歳以下)の子を持つ親が「購入して良かった本」と回答した本には「だるまさん」シリーズ、『はらぺこあおむし』や『いないいないばあ』など、読み聞かせに適した絵本が多くあがった。

 

『だるまさんが』『だるまさんの』『だるまさんと』(ブロンズ新社)

 

 また、「購入して良かった理由」の1位は「子どもが何度も繰り返し読む、お気に入りの一冊になったから」で、寄せられた回答の29.4%を占めた。2位の「親子で一緒に楽しめる本だったから」は25.2%で、子どもだけでなく親も楽しめる絵本の満足度が高くなっている。3位には「子どもの知的好奇心を満たしたから」が23.2%と、子どもの興味や知的好奇心が重視される傾向が表れた。

 

年中・年長(5~6歳) 「図鑑」が増加、子どもの興味や知的好奇心を重視

楽天ブックス調べ(回答数=361)

 

 年中・年長の子を持つ親が「購入して良かった本」では、「図鑑」の回答が年少以下と比べて増加。子ども自身が読んで楽しむ「おしりたんてい」シリーズとの回答も多く、年少以下の子を持つ親の結果と違いが見られた。

 

「おしりたんてい」シリーズ(ポプラ社)


 「購入して良かった理由」では、「子どもが何度も繰り返し読む、お気に入りの一冊になったから」が26.1%と最多。次いで、22.5%が「子どもの知的好奇心を満たしたから」と回答し、年少以下の子を持つ親よりもさらに、子どもの興味や知的好奇心を重視する傾向がわかった。

 

小学1・2年生 辞典・学習ドリルなど、学習に役立つ本が選ばれる

楽天ブックス調べ(回答数=261)

 

 小学1・2年生の子を持つ親が購入して良かった本の回答には、図鑑に加えて、国語辞典・漢字辞典や学習ドリルなど、小学校の学習に役立つ本が挙げられた。そのほか、児童書のロングセラー「かいけつゾロリ」シリーズなどが人気を集めた。

 

「かいけつゾロリ」シリーズ(ポプラ社)

 

 「購入して良かった理由」の上位3位までは、年少・年長と同様の回答傾向が見られた。その一方で4位の「子どもが勉強に対して意欲的になった」(13.4%)は、年長以下の子を持つ親に比べて8.5ポイント上回り、小学校入学後の勉強意欲の高まりが表れた。

 

小学3年生以上 「知的好奇心を満たしたから」が初めて最上位に

楽天ブックス調べ(回答数=297)

 

 小学3年生以上の子を持つ親が「購入して良かった本」は、学習ドリルや学習参考書『自由自在』、学習雑誌『小学一年生』といった、小学校の学習に役立つ本に加え、『ざんねんないきもの事典』など雑学的な知識が得られる読み物も並ならんだ。子どもに幅広い知識・教養を身に付けてほしいという、親の意向が反映される形となった。

 

『ざんねんないきもの事典』(⾼橋書店)など

 

 また、「購入して良かった理由」は「子どもの知的好奇心を満たしたから」が24.0%と、年少以下から小学校1・2年生の子を持つ親と比較して、初めて「子どもが何度も繰り返し読む、お気に入りの一冊になったから」を上回った。

 

※学年は全て2020年3月時点

 


 

子育てに関する書籍3部門 年齢別売上ランキング

絵本・児童書・図鑑部門 年齢別売上ランキング(クリックで拡大)

 

 「絵本・児童書・図鑑部門 年齢別売上ランキング」では、2歳から小学1・2年生まで全て『こども六法』が1位を獲得。同書はメディアで話題とり、さまざまな読者層向けに、法律とはどのようなものかをイラストで分かりやすく解説した一冊。

 

『こども六法』(弘文堂)

 

 「楽天ブックス」のレビューでは「いじめや虐待、身近なトラブルが法律ではどんな罪にあたるのか、易しく書かれています。子どもにぜひ読んでほしいです」などの声が寄せられており、子育て世代の人気を集めた。

 

 子どもの年齢が0歳、1歳のランキングでは、トップ10のうち、読み聞かせ向きの絵本が7冊以上ランクインした。年少以下の子を持つ親の回答でも人気の「だるまさん」シリーズ、『しましまぐるぐる』『いないいないばあ』など6作品は、0歳の子を持つ親の回答でもトップ10入りした。

 

 子どもの年齢が1歳、2歳になると、『はみがきれっしゃしゅっぱつしんこう!』『おべんとうバス』といった、日常生活を描いた絵本が並ぶ。子どもの年齢が3歳以上の親の回答ランキングをみると、幼児向けの学習ドリルが3歳で4冊、4歳で5冊ランクインし、文字の読み書きや、時計やお金の数字など、勉強の基礎・基本となることを理解してほしい、という親の意向が見て取れる。

 

 さらに、子どもの年齢が4歳以上は辞典や教養本が増加傾向にある。辞典の中でも人気は、4歳から小学1・2年生まで連続してランクインした『ドラえもん はじめての国語辞典 第2版』。同辞典は、4歳から小学校低学年向けの国語辞典で、小学館が持つ膨大な「こどもたちが興味のあることばデータ」や「年齢ごとの語彙データ」を元に厳選した約1万8000語が収録されている。

 

 また、教養本で年中・年長、小学1・2年生ともにランクインした『小学生なら知っておきたい教養366』は、言葉、文学、世界、歴史、文化、芸術、自然と科学といったジャンルに関する教養を毎日2分で身に付けられる一冊となっている。

 

美容・暮らし・健康部門 年齢別売上ランキング

美容・暮らし・健康部門 年齢別売上ランキング(クリックで拡大)

 

 「美容・暮らし・健康部門 年齢別売上ランキング」において、0歳の子を持つ親のランキングは、離乳食に関する本や育児書が占めた。1位の『はじめてママ&パパの離乳食』は、子どもの最初のひとさじから2才ごろの幼児食までが完全網羅された一冊。離乳食の基本ルールや、食材別のラクラク調理ワザ、簡単レシピ300品が、オールカラーで解説されている。

 

 1歳の子を持つ親のランキングでも、幼児食や育児書が半数を占めた。その中でも『フリージング幼児食』『つくりおき幼児食1歳半~5歳』の2冊が乳児食の作り置きレシピを紹介しており、忙しいママ・パパの子育てをサポートする内容となっている。

 

 また、料理レシピに関する本も、1歳以上の子を持つ親のランキングで、数多くトップ10入りしており、年中・年長以上の親では半数以上を占めている。ランキング全体でも目立つ作品は料理ブロガー、山本ゆりさんの著書で時短レシピが人気の「syunkonカフェごはん」シリーズ。忙しい育児の味方として特別な食材は使わずに、一般家庭にある食材や調味料で誰でも簡単に美味しくつくれる時短メニューがファンを作っている。

 

 レシピ本以外では、2歳以上の子を持つ親のランキングで、親自身のダイエット本やインテリア・節約など暮らしに関する本がトップ10のうち、4冊がランクインした。

 

『最強ずぼら女子が成功した唯一のダイエット』(KADOKAWA)

 

 2歳から小学1・2年生の全ランキングの1位は、『最強ずぼら女子が成功した唯一のダイエット』。著者・ちぃさんはInstagramやブログで自身のダイエット方法を紹介し人気を集めるインフルエンサー。数々のダイエットに挑戦し挫折してきた著者が、成功したダイエットの全てがまとまっている。

 

 2歳から年長までの子を持つ親の各ランキング上位に名を連ねたのは『子どもに作ってあげたい、シンプルでかわいいドール服』。一般的な「25.5cm~32cmサイズ」の人形のためのソーイングブックで、Instagramで人気を集める子ども服&ドール服作家の平田晴香さんと、子ども服作家の古川美樹さんによる共著が人気を集めた。

 

文庫部門 年齢別売上ランキング

文庫部門 年齢別売上ランキング(クリックで拡大)

 

 「文庫部門 年齢別売上ランキング」では、子どもの年齢との傾向が明確に表れた。0歳から1歳までの子を持つ親の回答では、子育て・教育本は6冊を占め、2歳から3歳は5冊、年少は4冊。特に年長・年中以上は1冊にまで減少し、子どもが成長するにつれて、子育て・教育本の需要が減っていることが分かる。一方、子どもが成長するにつれ、小説やエッセイ作品のランクインが増加し、親の関心が子育てから自身に関わる趣味へと転じる傾向が表れた。

 

『保育士おとーちゃんの「叱らなくていい子育て」』(PHP研究所)

 

 0歳から小学1・2年生の親が購入した本の1位を独占したのは『保育士おとーちゃんの「叱らなくていい子育て」』。ママ・パパから人気のブログ『保育士おとーちゃんの育児日記』の著者・須賀義一さんが、子育てを単純に楽しく変えるための具体的な方法を紹介した子育て本。

 

 0歳から4歳までの子を持つ親の各ランキングでは、『男の子の一生を決める 0歳から6歳までの育て方』が2位に選ばれ続けた。同書は幼児教育者である竹内エリカさんの著書。また、同様に0歳から4歳の子を持つ親のランキングで共通して3・4位にランクインしたのが、『子どもが育つ魔法の言葉』。世界22カ国で愛読されるベストセラーとなった子育てバイブルで「見つめてあげれば、子どもは頑張り屋になる」など、シンプルな言葉の中に、誰もが共感できる子育ての知恵がちりばめられている。

 

『ロウソクの科学』(角川文庫)

 

 年中・年長、小学1・2年生の子を持つ親のランキングでは、『ロウソクの科学』(角川文庫)が4位以上にランクイン。19年にノーベル化学賞を受賞した吉野彰氏がインタビューにおいて、「化学への興味の原点」と言及したことで話題となり、同年10月には前月比1941倍の売上を記録した。