出版科学研究所によると3月の書籍・雑誌販売額は1436億2600万円、前年同月比5.6%減だった。
書籍は4.1%減となったが、書店店頭売上は同約2%減にとどまり、新型コロナウイルス感染拡大やそれに伴う学校臨時休業などの影響で、学習参考書が30%増、児童書が12%増など伸びた。一方、雑誌は中国生産の付録が遅れ発売延期が多く発生し、月刊誌が販売額で8.5%減と落ち込み幅が大きくなった。
書籍の新刊点数は6774点、同9.2%増、新刊の推定発行部数は2496万冊、同7.5%減。既刊本も含めた推定出回り部数は9912万冊、同8.6%減。金額返品率は同1.2ポイント減の25.5%。平均価格は新刊が1267円、同5.0%増、出回りは1241円、同3.2%増。
月刊誌の推定販売金額は434億9000万円、同8.5%減、推定販売部数は6434万冊、同8.2%減。コミックスが好調だったことから金額返品率は同0.1ポイント改善し40.6%だった。平均価格は680円、同0.3%減。
週刊誌の推定販売金額は84億8800万円、同6.4%減、推定販売部数は2316万冊、同5.9%減。返品率は41.4%、同0.6ポイント増。平均価格は378円、前年同月同。
1~3月累計の月刊誌推定販売金額は1100億4200万円、同5.2%減、推定販売部数は1億6767万冊、同5.0%減。週刊誌の推定販売金額は238億1900万円、同7.5%減、推定販売部数は6399万冊、同9.0%減。
なお、出版科研は新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言下での勤務態勢により、「販売概況3月期」などを掲載する『出版月報』4月号の刊行を取りやめ、5月25日に4・5月合併号として刊行する。「販売概況3月期」と販売・発行指標の7ページ分は同所ホームページで公開している。
【星野渉】