澪標 海外詩人の翻訳本『四元康祐翻訳集現代詩篇』を発刊

2020年4月30日

『ホモサピエンス詩集 四元康祐翻訳集現代詩篇』

 

 【関西】澪標(大阪市、松村信人社長)はこのほど、世界の詩の最前線で活躍する詩人32人の翻訳詩や解説を収録した『ホモサピエンス詩集 四元康祐翻訳集現代詩篇』(四元康祐)を発刊した。

 

 同書は同社が2008年から発行する季刊詩誌『びーぐる 詩の海へ』創刊号から続く「海外現代詩紹介」の中から厳選。南はブラジル、アルゼンチンから北はアイルランド、リトアニアまで22カ国、いずれも詩祭などで著者が直接出会い、現在も活躍している詩人の作品を翻訳し、解説を加えている。

 

 詩は国や個人によって主題やスタイルなど種々様々だが、国や文化、言語の違いを超えて、詩を読むことで相互につながることができる内容に仕上がった。数人の詩人たちが互いの作品を自国語に翻訳しあうワークショップの産物でもあるという。

 

 著者の四元氏は1959年大阪生まれで、ドイツ・ミュンヘン在住。製薬会社に勤める傍ら、世界各地の詩祭に参加し、海外の詩人との交流を深めてきた。経済やビジネスを扱ったユニークな詩も多数発表し、山本健吉賞や萩原朔太郎賞、鮎川信夫賞ほか詩歌に関する文学賞を多数受賞している。

 

 松村社長は「装丁に全員の顔写真を使い、詩を専門としている人でもなかなか出会ったことがない海外の詩人が収録されたマニアックな内容。著者は今年から日本国内の大学で教鞭をとる予定で、注目される存在になるのでは」と推奨する。

 

□四六判、並製カバー装/256㌻/本体2000円

【櫻井俊宏】