【関西】大阪府が、府内の幼稚園や小中高の子どもたち(約100万人)を対象に1人2000円分の図書カードを配布する事業において、このほど大阪府教育庁から大阪府書店商業組合に事業の概要説明やカード利用者への周知、販売協力の要請があった。
新型コロナウイルス感染拡大防止に伴い、府が要請している府内の幼稚園、小中高の臨時休校(園)が長期化していることを受け、家庭学習支援として約20億円の予算を計上。外出自粛の観点から当初はオンライン書店での購入を推奨する方向もあったが、図書カードを利用できるサイトは限定的で、利便性の面からリアル書店にも協力が要請されたという。
府が日本図書普及に納品要請したカードの概要は、図書カードNEXTの「図書カードネットギフト」をベースにしたものだが、大きさはA4サイズで、破損などの対策として4隅にQRコードを付けた。裏面にはオンライン書店と一般書店での利用案内が記載されている。従来の読取り機で読み取ることが可能で、使い方は一般の図書カードと同じ。
4月下旬から各学校や園に配布され、子どもたちに届けられる。利用者に向けては府のホームページでも府教育長のメッセージとともに使い方などが掲載されている。
通常と異なるデザインのため、日本図書普及から大阪組合に対し、説明書と同時に「今回の図書カードNEXTの採用が、児童生徒の書籍の関心を高め、健やかな成長を促し、また各書店の販売支援にもつながれば」との言葉が寄せられた。
大阪組合事務局では「府発行の図書カード使えます」のポスターを作成した。また、書店関係者は「府から正式に協力要請された重要な事業。各書店エリアの子どもたちや保護者が、A4サイズの図書カードを手に持ってたくさん来店するだろう。販売機会を失わないようしっかり対応したい」と準備を整えている。
【堀雅視】
〈既報4月17日〉
大阪府が家庭学習支援で図書カード配布、営業店舗への追い風なるか