日本図書館協会は4月24日、図書館所蔵の資料を用いた読み聞かせ動画などを時限的にインターネットで配信できるように、日本書籍出版協会など10団体に要望した。
新型コロナウイルス感染拡大で「公共サービス機関としての役割を担うことが極めて難しくなっている」なかで、①各図書館で所蔵された資料を用いた読み聞かせやお話し会を録音または録画し、図書館利用者に対し、インターネットなどにより公衆送信すること②外出ができない図書館利用者への時限的サービスとして、利用者の求めに応じて行う当該図書館所蔵資料の文献複写サービスにおいて、その複写物を電子メールやFAXなどにより、図書館利用者及び病院等の公共施設等に送信することを認めてほしいとしている。
要望した団体は日本書籍出版協会、日本文藝家協会、日本新聞協会、日本シナリオ作家協会、日本ビジュアル著作権協会、出版者著作権管理機構、日本児童出版美術家連盟、日本児童図書出版協会、日本児童文学者協会、日本児童文芸家協会。
今回の措置は各図書館で通常のサービスができるようになり、図書館利用者が自由な外出が可能となり次第、終了するとしている。
日本書籍出版協会・図書館委員会は4月28日、「著作権法の規定に従い各著作権者への許諾申請をしてほしい」と回答。また、全国の図書館から個別の出版社に対して使用許諾申請が殺到していることから、日本図書館協会で一括してまとめ「使用許諾の承認が得られた著作物(作品)のリスト化と全国の図書館への発信」することを提案した。
日本図書館協会は、出版社に対して「図書館法第31条で図書館では資料の複写が認められているが、利用者に求められて館内で行った複写を郵便で送ることしかできない。ファクスやメールで送れるような緊急事態宣言下の対応ができるとありがたい」とも要望している。
【成相裕幸】