手塚治虫文化賞 マンガ大賞はリイド社『ニュクスの角灯(ランタン)』

2020年5月11日

 リイド社は4月28日、高浜寛氏によるコミック『ニュクスの角灯(ランタン)』が第24回手塚治虫文化賞(朝日新聞社主催)のマンガ大賞を受賞したと発表した。

 

 同作は西洋文化の波が押し寄せる1878年の長崎を舞台に、触れたものの未来をみることができる不思議な少女「美世」と、個性的なキャラクターらが織りなす人間ドラマで、月刊誌『コミック乱』で、4年間にわたり連載していた作品。単行本は全6巻に及び、フランスをはじめ、海外からも高い評価を得ている。

 

高浜寛氏『ニュクスの角灯(ランタン)』

 

 今回の受賞を機に、情報番組「王様のブランチ」(TBS)で紹介されたほか、SNSでも話題となり、「読んでみたい」「面白そう」といった声が多数寄せられた。

 

 担当編集の中川敦氏によると、高浜氏は「書店、流通、出版社ほか、作品のために心を砕いてくれたみんなでいただいた賞」と受賞の喜びを語っているという。

 

 一方、中川氏は新型コロナウイルスの影響で、同作が手に入りづらい状況に触れたうえで、「どこにも売っていないから、あきらめたという声をSNSで見かける。時間はかかるかもしれないが、注文をすれば確実に手に入るので、書店で取り寄せてほしい。そういった情報も踏まえ、読者に向けて発信していきたい」と力を込める。

【山口高範】