双葉社は「双葉文庫」の新キャラクター「たばぶー」を作成し、5月12日取次搬入の新刊の帯や栞などで掲載を始めた。それに合わせて、ウェブサイトや文庫のツイッターアカウントを開設、同月中旬に搬入されるベストフェアセットのパネルやPOPでもお目見えする。子ブタをイメージしたかわいいキャラクターで、近年増えている女性読者へのブランディングに生かしていく。
「たばぶー」は本を読むことが好きなブタのキャラクターで、趣味は「本を読みながらごろごろすること」、特技は「鼻が利くので、面白い本を見つけるのが得意」など性格も設定されている。
5月の新刊帯折り返しや封入栞に掲載するほか、ベストフェアセットにはA4パネルと営業部員が作品ごとに手書きした10タイトルの「たばぶー」入りPOPを同梱し、1000店以上の申し込み書店に送品する。
新キャラクターを作成した背景について、営業局第二営業部・富岡佳子さんは「文庫の30~40代の女性という新しい読者層に向けて、時代小説、官能小説中心というかつてのイメージを変え、ブランディングしていくため」と説明する。
昨年創刊35周年を迎えた双葉文庫は累計刊行点数が約4200点、稼働点数は約1200点に達する。かつては時代小説や官能小説のイメージが強かったが、5月の新刊17点のうち時代小説は3点、官能小説は1点にとどまる。
累計発行部数の1位も104刷290万部の湊かなえ『告白』、続く2位が39刷165万部の住野よる『君の膵臓をたべたい』と、いまや若年女性から支持される作品が売れ行き上位を占める。
新キャラクター登場に合わせて公式ツイッターも開設。「まずは書店員さん愛されるキャラクターを目指したい」という富岡さんと宣伝・プロモーション部が中心になってSNSでの拡散を目指す。
キャラクター選定にあたっては、7部署の担当者でチームを立ち上げ、社内公募で集まった33の原案を3案に絞り込み、社内投票を経て選出した。この原案に名称、性格、ストーリーなど肉付けして誕生したのが「たばぶー」だ。「将来的にはグッズ化したりアニメ化なども」と富岡さんの夢は広がる。
カバーもリニューアル
双葉文庫は5月新刊からカバーもリニューアルする。背に入っている文庫ナンバーのオレンジ色が、日に焼けて変色しやすかったことから白に変更。また、カバーの解説文などの文字を特殊なフォントから一般的なフォントに変更するなど、視認性を向上させた。
【星野渉】