全日本広告連盟は4月22日、第14回「全広連鈴木三郎助地域キャンペーン大賞」に「#ThankYouFromKAMAISHI」(同・実行委員会/事務局:岩手日報社)を選んだと発表した。また、選考委員会特別賞には、福島民報社による「防災・減災キャンペーン」が選ばれた。贈賞は、5月21日の第68回全日本広告連盟ふくしま大会式典席上で行われる予定。
「#ThankYouFromKAMAISHI」は、2019年のラグビーワールドカップで、東日本大震災被災地唯一の開催地となった岩手県釜石市から、世界中に対してこれまでの支援への感謝を伝えようと企画された。
官民あわせて19団体による実行委員会で、イベント・OOH・新聞・テレビ・ウェブ・SNSなど多面的な活動を行った。
同年に全線開通した三陸鉄道リアス線のラッピング車両制作、試合会場である釜石鵜住居復興スタジアムに三陸特産のホタテ貝によるモザイクアート「ありがとう貝画」の設置、感謝を伝える歌「ありがとうの手紙#ThankYouFromKAMAISHI」も制作された。
「ラグビーワールドカップというチャンスを最大限に生かして、これまでの支援への感謝を伝えるというコンセプトと、行政・団体とともに広く子供から大人まで多くの市民を巻き込み、時間をかけて準備を重ね、幅広いメディアを生かしたコミュニケーションを行った」点などが高く評価された。
福島民報「防災・減災」は特別賞に
福島民報社の「防災・減災キャンペーン」は、「東日本大震災がもしも夜に発生していたら…」という想定のもと、夜間在宅中に地震が発生した場合の避難行動について、啓発と備えを呼びかけるキャンペーンを新聞・ラジオ・ウェブで展開した。
災害時に強みを発揮するメディアであるラジオの特性を生かし、電気を消した暗闇の状況下でラジオの音を聴きながら、布団の中から玄関まで避難する訓練プログラムを、福島民報社とラジオ福島が共同で開発。ラジオ福島と番組提携して『夜の避難訓練』をOA。大学生が避難訓練した様子を採録紙面で紹介した。
また、一連のキャンペーン期間中に台風19号による甚大な被害がもたらされたため、「いのちを守るために~住民の声から~」シリーズを追加展開した。
「『夜間の避難』という福島のみならず日本全国に共通する課題を捉えた着眼点と、災害に強いメディアであるラジオの特徴を生かしたキャンペーン設計で、人を動かし社会に貢献する取り組みである」点が高く評価された。