日本印刷技術協会(JAGAT)はこのほど、「印刷会社へのコロナショックの影響と対応に関するアンケート」を実施したと発表した。実態の把握に努め、結果を分析し、すでに速報を2度にわたって回答社へフィードバックした。
「印刷会社へのコロナショックの影響と対応に関するアンケート調査」は、4月6~16日の期間に全国のJAGAT会員印刷会社77社に聞いた。FAXによる記入式で実施し、自社と地域社会への影響、売上高・受注の実績と見通し、対策・課題・見通しなどを調べた。
結果概要によると、調査対象印刷会社の2020年3月実績は、売上高8%減、4月見通しは売上高マイナス19%減。「2月まで消費増税の影響が薄れて回復傾向にあったところに、コロナショックが打撃を与えた様子が鮮明になった」としている。
地域別には、首都圏・名古屋圏・大阪圏など大都市圏を中心に、影響が大きい。製品別では、商業印刷・出版印刷への影響が目立つ。
自社への影響としては、イベントの延期・中止による受注減が多く挙げられたほか、取引先の減産、顧客のテレワークへの移行による営業難などが挙げられた。
地域社会には、クラスター(感染者集団)発生による緊張感の高まり、特に観光・小売などサービス業の極度の不振を懸念する声が多い。
対応として、運転資金の調達、消毒・マスクなどの防疫、テレワークへの移行、休業対応、今後の課題として社内から感染者が出た場合の対応策立案、コロナ後を見据えた戦略の準備などが挙げられた。
会員向けの月刊専門誌「JAGATinfo」5月号で詳細を掲載する予定。