日本出版インフラセンター(JPO)は5月18日、出版情報登録センター(JPRO)の書店向けポータルサイト「BooksPRO」のスマートフォン版を6月5日にスタートすると発表した。スマホ版は同サイトの基本機能をそのまま引き継いでおり、書店は「共有書店コード」をIDとして使用し、アクセスすることができる。
また、出版情報を登録している出版社向けに「BooksPRO Compact」も6月5日にリリースする。同サービスを利用することで、これまで出版社が確認できなかった「BooksPRO」 上の情報を閲覧できるようになる。ただし、書店員用の通常版と比べ、サイト内で閲覧できる情報に制限をかける。
ホームページでの発表によると、出版社が閲覧できるのは当月・前月分の既刊・近刊。15日を過ぎると次月の書誌情報も閲覧可能になる。入力データの掲載確認は「BooksPRO Compact」 で可能となるが、データ更新が0時となっているので即時確認はできない。出版各社はJPRO用のID・パスワードで、リリース日の9時からログインできる。
「BooksPRO」は書店専用の情報サイトとして2020年3月10日にオープンし、登録書店は1200店を超え、アクセス数も伸びている。書店からの認知度が高まっていく中、出版社からは「自社が入力した情報がどのように見えているのかが分からない。閲覧させてほしい」との声が多く寄せられていたという。
同サイトでは、出版情報をより早く登録してもらうため、出版社は情報を閲覧できない設定となっていた。しかし、書店に伝えたいことが伝わらないリスクの方が大きく、実際の表示を確認したり他社の例を参考にする方が、情報の質と量の向上につながるとして、同サービスのリリースを決定した。
なお、JPROの出版情報登録率は新刊委託が83.5%、書籍に限れば88.6%に達している(2020年3月実績)。