イードがZoomでメディア商談会 2週間で準備、250人以上を集める

2020年5月26日
 

企画立ち上げから2週間足らずでの開催ながら多数の登壇企業が集まった

 

 オンラインメディア運営会社のイードが運営するメディア業界向けメディア「Media Innovation」がオンラインイベントを強化し、実績を積み重ねている。

【堀鉄彦】

 

 5月18日、ビデオカンファレンスツールの「Zoom」を使ったビジネスマッチングイベント「コロナに負けないメディア施策特集 Media Innovation Connect」を開催したが、オンラインイベントにもかかわらず262人もの登録者を集めた。

 

 電通、講談社、FM東京など、有力企業14社のセミナーがまとめて聞けるという内容に加え、オンラインの環境下でも突っ込んだ話をするために「個別相談ブース」を用意するなど「営業」にフォーカスした企画も評価された模様だ。

 

開催のあいさつをするイードの土本学執行役員メディア事業本部長

 

 「Media Innovation Connect」の責任者であるイードの土本学執行役員は「新型コロナウイルスによる広告収入の減少に対して、各メディアは手探りしながらさまざまな施策を打ち出している。しかし、在宅勤務が行われる中で、営業機会の減少があり、新規のクライアントとの接触が難しくなって、オンラインでのマッチングの需要が大きかったのではないか」と語る。

 

 Media Innovationによるオンラインイベントはこれが5回目。3月末に行った企画では20人程度の参加者だったのが、回を追うごとに増加。3回目の「音声メディア」企画では97人、4回目の「D2C」セミナーで127人と順調に伸び、5回目の本企画で200人超の集客を達成した。

 

 6月5日には有力メディアのキーパーソン10人を集めて開催する「Media Innovation Conference 2020 Spring:NEX TCHALLENGE」を企画しているが、有料イベントで登壇者の半分が未発表という状況にもかかわらず、5月21日時点で100人近い申し込み者を集めている。この成果にイードも手応えを感じている。

 

 「広告主や広告代理店の側としても、コロナ以降の世界を見据えて、新たな打ち出し方が求められる。ヒントを得たいというニーズは大きいはずだ」(土本執行役員)とさらなる集客を期待している。オンラインイベントの強化に引き続き注力する方針だ。

 

オンラインだからこそできる柔軟な運営

 

 実は「Media Innovation Connect」は、開催まで2週間足らずの期間で立ち上げた企画だった。当初は登壇者4~5人程度という計画で企画していたが、登壇者が集まりはじめ、それぞれにSNSなどで登壇告知する中で集客が広がり、登壇者も増えるという循環が生まれた。

 

 200人以上を集めるイベントであれば、通常2カ月以上前から企画する必要があったはずだ。また、途中で登壇者を増やすというのはかなり厳しかったにちがいない。

 

 会場の制約がなく、これまでのイベントと比べて開催リスクも少ないオンライン企画だからこそフレキシブルな運営ができ、登壇者を増やしながら集客が増加するという相乗効果が狙える柔軟な運営も可能となったのだろう。

 

 オンラインイベントは今、メディアのみならず、あらゆる企業にとって必須の営業ツールとなっている。しかし、開催・運営に求められる姿勢はかなり異なるものであることが、見えつつあるようだ。