【関西】学習参考書、教育関連本で知られる増進堂・受験研究社(本社大阪・岡本明剛社長)は、新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う緊急事態宣言、自粛要請によって、休業や時短営業などを余儀なくされた書店を支援するため、特別報奨を設ける「全国書店支援プロジェクト」を開始した。
同社を代表するシリーズで創刊60年、2600万部のロングセラーとなっている小中学生向け参考書『自由自在』をはじめ、全出版物を対象に報奨金を提供する。
同社・岡本泰治専務は「新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、誰も経験したことのない厳しい状況の中、休業を余儀なくされたお店、読者に本を届け続けるためになんとか開けてくださったお店、感染リスクの中でも多くの書店員の方が店頭に立っていただいた。当社が130年にわたり事業を継続できているのも、書店の方々の支えがあってこそ。何かできることはないかと考え、今回の取り組みを実施させていただいた」と趣旨を説明。
プロジェクトの報奨額は、1冊あたり5円だが、同社が今年創業130周年を迎えることから、『自由自在』シリーズにおいては、1冊あたり130円に設定。対象書店はPOS導入店に限り、複数店舗展開書店は本部で一括申し込みとなる。
ネット書店、またリアル店でもネット販売分は不可。参加希望書店は登録ページ(http://u0u0.net/ZrUU)から申し込みが必要(7月30日まで)。プロジェクトはすでにスタートしており、9月30日まで実施される。
岡本専務は「困難な時こそ、人は本を読むことで心を癒し、明日への希望を抱く。その懸け橋となる書店の果たす役割は『withコロナ』の時代において、益々大きくなる。書店が未来に進めるように出版社としてバックアップしなければならない」とコメントしている。
【堀雅視】